《SHINJOの信条》ああいうプレーに対してホームランを打ったぐらいの拍手をしてほしい
■春季キャンプ第1クール第2日(2月2日、沖縄・国頭)
取材に応じた新庄剛志監督(54)の一問一答は以下の通り。
ー紅白戦を終えて、率直な印象を
「奈良間くん、良かったね。セカンドとショートが前に来ていたので、ヘッドコーチに後ろへ下げてと言って、どういうバッティングするかなと思って。あれ(三回1死三塁で二ゴロを放ち、1点追加)はもう、今シーズンは打点3ぐらいの評価ですからね。その後に(四回1死三塁で)ショートだけ下げたんですよ、セカンドは前で。進藤くんがどういうバッティングするかなと思って。デッドボールでしたけど。あそこでショートゴロを打ってほしいな、という気持ちはあります。あとは1死二、三塁での清水(優)くんかな。ライトフライが欲しかった。ワンアウトで1点が入ってのセカンドランナーはサード(という状況にしたかった)。まあ、みんな分かっていますからね。きょうは初日ですから。なかなか打てないですよ。ピッチャーがいいし」
ー監督が見たかったポイント、注目したポイントは
「どれだけ仕上がっているかなと。どれだけ仕上げてきてくれたか。オフの過ごし方のアピール度を見たいというところはありましたね。あと宮内くん、テンポが悪い。宮内くんが先発をやったらたぶん、試合は4時間50分ぐらいかかる。テンポを良くしたら彼、良くなるから。ちょっとテンポが悪いピッチャーは、使いたくなくなる。2回ぐらい言ったんですけどね、去年。直っていなかったね」
ー全体的に選手たちの仕上がり具合は
「分からん。良くはなかったかな。難しいけど、見極めは。でも矢沢くんなんかはいい振りをしていましたね」
【一問一答:矢沢宏太 初実戦で求めていた長打「ちょっとニヤけてしまいました(笑)」】
ー選手たちの競争はどのように映っているか
「この4年間、競争だらけでしょ。競争でしかない。でもレベルの高い本当のトライアウトは今年じゃないかな。選手生命を懸けて。今年が一番ハイレベルな争いだと思います」
ー今キャンプで臨時コーチを招集する
「はい。元中日ドラゴンズでプレーされた山本昌さんと、これまた中日でプレーされた山崎武司さん。呼んだポイントですが、山本昌さんに関しては、30代も40代も50代も全部一緒の山本昌さんなんですよ。よくこれだけ変わらず、あの投球ができるな、というところで、30歳を超えた宮西くん、加藤(貴)くん、山崎くん、あとは堀くんとか、左ピッチャー。50歳までやれたということは、何かのテクニックがないと無理だし。インコースの使い方とか、あとはファーストランナーをセカンドにやらないテクニックとか、ものすごくしていた方なので。あとはスクリューの使い方。バッターが打ち出してから、山本昌さんクラスになると投げる瞬間に『あ、ここじゃない』と察知する器用さも持っているような気もするので、そういうところは聞いてみたい。左ピッチャーオンリーで。左ピッチャーは左のピッチングコーチが僕はいいので。山崎武司さんはもう中日の2軍の時に、僕もタイガースで2軍でプレーをしていて、すごいバッターだなと。中日はその時、長距離バッターがものすごくいたんですけど、その中でもレベルが違うぐらいに飛ばしていて。ホームラン王を取られて。僕のポイントは楽天に行って、ものすごくホームランがまた増えた。35、6歳を過ぎて40歳近くだったかな。飛ばすコツを持っている方だし、あとは配球。初球、スライダー1本だったらスライダー1本で待てる選手でしたね。追い込まれたら、真っすぐど真ん中、もうごめんなさいと。キャッチャーもしていた方なので。うちは距離を飛ばすバッターがたくさんいるから、そういうところを教えてもらえたらうれしいですね」
ー濃密な時間になりそう
「試合のない日に合わせたんですよ。(山崎武司氏が)10、11、12日。山本昌さんが11、12日。すごく喜んでもらえました。『ありがとう、逆にありがとう』と。ぜひよろしくお願いします。プライベートジェットを用意して来てもらおうかな。名古屋からキーンってね」
ー2日目まで選手たちを見て、ドミっていた選手は
「え…田中正義くんのブルペン。すごかったらしいですね。みんな、いいボール放っていたけど。あのね、2カ月のオフがあって、目がスピードボールに慣れていないんですよ。だからキャンプ初日で153キロぐらいの真っすぐに見えて、聞くと144とかね。僕たちも慣れるまで時間がかかるので。ピッチングコーチも言っていました。『めちゃくちゃ仕上がっているな』と。『いや、そうでもなかった』というのがあるんで。まだドミっているか分からない。全員」
【一問一答:伊藤大海 金子流チェンジは断念も…理想は2年連続サイ・ヤング賞左腕】
ー吉田が2安打。セカンドの守備機会もあった
「あ、牧賢吾? じゃないか、吉田賢吾か。なってほしいね、牧くんみたいに。捕ってアウトにしてくれたらいいから。それで、きょうみたいに2本。特に右方向に打ち方というか落とし方を知っているし。思いきりカウントがいい時は引っ張れるし。楽しみなバッターなんですよ。最後、ゲッツーを取ったじゃないですか。(グラブと右手が)離れている、離れている(笑)。徐々に徐々にね。癖が付いてるから。そのあたりも楽しみながら」
ー実戦機会や練習をしていく中で改善して
「本人にも言ったんですよ。そんなに急にうまくならないし、期待はしていないから。捕ってアウトにする、捕ってアウトにする。そのうち、速い動きになってくるから。とにかくあんたは打ちんしゃいと。打ったら出れるばい、と言っておきました」
ー新庄監督も山崎武司さんも、野村克也監督の教えを受けている。親近感があったか
「僕、バッティングを教わっていないですからね、野村監督から。山崎武司さんはものすごくミーティングで野村さんの考えを取り入れて。怒られながら、やられていたみたいなんですけど。僕は『おまえは格好つけていいと。そういうプレーで、もう取り組め』としか、本当に言われていないです。ある意味、僕が教育していた方なので(笑)。これ笑うところじゃない、本当のところなんですよ。はい。みんな信用しないと思いますけど、いろんなことを学ばせましたね。本当だって、本当本当。マジで。今いたら聞きたいもん。これも教えましたね、あれも教えましたよねと。『ああ、そうや』と必ず言いますよ」
ー(2回1失点だった紅組先発の松岡に触れ)
「松岡くんのモチベーションはどうだったのかな、というのも気になりましたね。何回も(支配下から)育成になって。去年、ものにせなあかんやったね。勢いよく話題をつくってあげたのに。松岡、松岡、松岡で。そこで、つかまないといけなかったね。ただ、初日から結果を出しなさいというのもね…。(紅白戦を)日曜日にしたかったんすよね、僕」
ーキャンプ初日に組みたかった
「バリバリ予報が雨だったんですよ。(31日の)花火大会も厳しいかな、というところで。それなら2日目に1軍のメンバーも加えて入れようかと」
ー奈良間が二ゴロを打ち、三塁走者を返したのはサインか
「サインはない。自ら。だからいいんです。ここなんですよ」
【一問一答:奈良間大己 新庄監督を喜ばせたいぶし銀の二ゴロ「本当に自分が生きる道」】
ー必死にゴロを打とうとしていた
「ただ、追い込まれてセカンドゴロ、ショートゴロって、意外と難しいんですよ。初球からパンて出した方がいいのか。三振するまでに何球か見れるし。それはもう僕の考え方次第。初球から、はい進塁打、出ます。詰まらせて詰まらせて…。でもベストはヒットやからね。だからワンストライクまでは普通に打たせるかもしれない。それは僕次第ですね」
ー追い込まれた中で、ああいうバッティングを
「できたのがもう最高。次の日も試合に出るね。ありがとうとなるし。フロントにも言う。もっともっと(評価を)上げてほしいと。あとは、ファンの方たちにああいうプレーに対して、ものすごい拍手をしてほしい。ホームランを打ったぐらいの拍手をしてほしい。エスコンの放送も『ナイスチームバッティング!』とかね。『コングラチュレーション!』みたいな。『年俸アップ!』みたいな。そうしたら選手も拍手が聞こえるから。うれしいとなるから。そうなった場合、協力してもらっているから、ファンにも給料を渡さなあかん(笑)。それぐらい、これでいいんだと(選手に)思わせてほしいですね。ファンの方たちにもね」
ーサインが出なくても自ら考えてできる
「(事前にチーム打撃を重視すると話した)記事を見ていますよ。そのために言っているんだから(笑)。おまえ、何を見とったんと。記事を見とらんかいと」
ーミーティングで伝えているのかと
「言っていない。ヘッドコーチは言っていますよ。今年のボスの方針はチームバッティング、犠牲になって勝つために。ただ、勝つために何をしないといけないか。そりゃ、ボンボンボンボン打っているバッターに、ワンアウトサードから進塁打のサインを出さないから。出してほしくなかったら打てと。打ってくれたら、出さない出さない。もうアホかと言われる。それ言ってほしいしね、本人からも。これだけ打っているからと。でも、調子がいい時こそ、そういうサインが決まるという時もあるんすよ。ノリノリで見えるからボールが。まあそれは僕次第ですね。やっぱり」
ー現時点では打者にサインを出さずに
「出ることないですよ、最初の方は。全部フリーです。考えてやりなさいと。清水(優)くんは(二回1死二、三塁で)ライトフライを打ってほしかったなと思うね。サードゴロを打った時。そのテクニックが欲しかったな」
ーそれができないと、レギュラーは厳しくなる
「できないと使いはしないですよね。できる子を使いたくなるよね」
ー自分で考えられたら、サインプレーが出た時も即座に反応してくれる
「でも、バント以外はできているんですよ。うちのチームは。ロッテ戦でも前進守備のワンアウトサードで、矢沢くんにエンドランか。ちょうどピッチャーの頭の上を越えて1点を取った。それで勝ったのかな。できる子、それは」
ー監督が話していた通り、ファーストストライクを積極的に打っていた
「打っていたね。目が慣れてきたら捉えてくれるので。真っすぐを待って変化球のスイングなのか、真っすぐを待って真っすぐのスイングなのか。真っすぐを待って、いいタイミングで振っているけど、スライダーに対してファウルになったのか、というところはものすごく聞いてみたいポイントですね」
ーきのうのブルペンで、菊地に指の使い方を伝えていた
「ちょっと見てみたいと。監督が見ている、力む。試合でも同じような気持ちになる時に、ちょっと(人さし指と中指が)開いていると、どっちかの力が強くなってしまって。人さし指が強かったら、シュート回転で真ん中に入っているボールが6球ぐらいあったから、真っすぐだと、なかなか力を入れづらいんすよ。どっちかには。だからちょっとやってみてと。1センチぐらいかな(指の間隔を狭めて)。金村くんの投げ方に似ていません? 立ち投げの時にすごくいいボール放っていたから。やらせてみて、それはアイデアの一つとして。結果を出す出さない前にやってみないか、ということは話したんですけど。それは素人が言っていること」
ー本人は引き出しが増えると
「違和感があるかもしれないけど、慣れてくるし。開いてるより力が入りやすいと。ここで押し切って打ち取っていけば、この1センチで変わるんだと」
ー簡単に気付くものか
「観察が好きなので」
ー癖を盗むのがうまい
「いや、言わないけどね。俺、ほとんど言っていないからね。外からの情報で、人の観察力とか癖盗みがうまいという情報が出てきているから、ちょっとずつ出していこうかな(笑)。逆に。常にバッティングフォームやらピッチングフォームをずーっと見ているから、変わった時に分かるんですよ。ちょっと違くねと。グラブを下げたとか。足の裏がキャッチャーの方に向くようになったねとか。なんか分かるんですよ。ただ、背番号と名前はあんまり覚えられない(笑)。形はすぐ分かって、誰とすぐ分かるんですよ。フォームとか形でね」
ー北山の癖もすぐに察知していたのか
「真っすぐの時とフォークの時の動き。そこでタイミング取るタイプなので。落とすことばかりに集中すると、癖って出てくるんですよ。あとはグラブの中が赤でしょ。セットポジションに入った時に、バッターから赤い色が結構、見えたら変化球とか、真っすぐとか分かるから。お、赤がめっちゃ見えているとなってくると、俺は変えた方がいいかなと。黒でいいじゃない。まあ、格好いいけどね。格好いいんだけど、ほかの選手と違ってオシャレじゃないみたいな。赤だぜ中。でも癖がバレる(笑)。ありがとう赤とね。今年のキャンプもこうやって話していたらすぐ終わるでしょ。台湾も早く行きたい」