《平川弘のCool Eye》攻撃の速さを出すには裏のスペースを突く選手が必要
攻撃がスムーズだった甲府戦
酷暑だった敵地でのゲームをものにすることができた甲府戦(2○1)。前節の秋田戦ではノッキング状態だった攻撃がスムーズに流れるようになった。何か変わったのだろうか。
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後半開始時に意識の表れ
後半の札幌のキックオフは珍しい光景だった。MF荒野が甲府陣地の奥のタッチラインへ直接ボールを蹴り出した。本当はもっと深く奥へ蹴ってほしかったというのが本音だが、リスタートの相手スローインからプレッシャーをかけることを意図したものであった。後半の立ち上がりからもプレスに行くことの意識付け。そしてボールを後ろに下げるのではなく、前に持っていくという意味もあったのだろう。
この日の札幌は右のFW白井、左のDFパクミンギュ、シャドーのMF長谷川が相手DFの背後を突く動きを再三見せてチャンスをつくった。先制点は長谷川が相手の裏を取り、DF浦上からのボールを受けてFWマリオのゴールをアシストした。相手DF土屋の応対ミスも重なったが、長谷川がスペースへランニングしたからこそのミスであった。
シンプルにDF裏を狙うのは大原則 ポゼッション等で…
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浦上のシンプルなフィードも良かった。2点目も白井がスローインから相手DFの裏を取ってサイドを突破したことで生まれたもの。DFの裏のスペースへ走り込むというチーム内の共通意識が徹底されていたと思う。ポゼッション等で頭でっかちにならず、シンプルに相手の裏を狙うのはサッカーの大原則である。そればっかりでは単調になってダメだが、攻撃の速さを出すには裏のスペースを取れる選手が必要。白井も長谷川も、いつもあれくらい走ってくれるといいのだが…。
あと何10センチ修正できていたら
失点の場面だが、MF高嶺がシュートコースを限定していたのでGK高木はファーサイドを捨てて、もっとニアサイドをケアしてほしかった。ニア上を狙ったMF鳥海のシュートは定石通りで素晴らしかったが、あと数10センチか高木がニア寄りにポジション修正できていたら、もう少し抵抗できたはず。無失点で2-0で終われれば最高のゲームだったので、細かいところだが、高木には反省してほしい。
次節は4位の大宮戦で重要なゲームとなる。残り11試合でプレーオフ圏6位・仙台との勝ち点差が9ポイント。甲府を何とか退けたが、大宮戦を落とすとプレーオフへの道はかなり難しくなる。札幌の崖っぷちはまだまだ続く。
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