【プレーバック】J2第27節 甲府1ー2札幌
前半17分、先制のゴールを決め、喜ぶFWマリオ・セルジオ(左から2人目)ら札幌イレブンがゆりかごパフォーマンス=撮影・中本翔
■8月23日、山梨・JITリサイクルインク スタジアム

マリオ先制弾 加入2年目のパクミンギュが初ゴール
北海道コンサドーレ札幌は、敵地でヴァンフォーレ甲府と対戦し2―1で勝利した。前半に2得点を奪った札幌は、1点差に詰め寄られて迎えた後半も粘り強く戦い、逃げ切りに成功。柴田慎吾監督(40)は、就任2戦目でうれしい初白星を挙げた。
直近2試合連続でクリーンシートを達成している甲府に対し、札幌はボールを保持しながら生命線とするパスサッカーを展開した。試合が動いたのは前半17分。DF浦上仁騎(28)のロングフィードのこぼれ球をPA内で拾ったMF長谷川竜也(31)が、中央で待つFWマリオ・セルジオ(29)へラストパス。来日初先発のストライカーは左足でゴールへ押し込み、待望の先制点が生まれた。
ゲームの主導権を握った札幌は、攻撃の手を緩めない。同30分にはFW白井陽斗(25)の右クロスをPA内で受けたDFパクミンギュ(30)が、胸トラップから左足を一閃。シュートは右ポストを直撃し、ゴールへ吸い込まれた。右太もも裏負傷から約2カ月ぶりのリーグ戦出場となったパクミンギュは、加入2年目で初得点となった。
6試合ぶりの複数得点で札幌が攻勢を強める状況で、甲府が反撃に出る。同35分にクリアボールを自陣で拾ったFWマテウス・レイリアが、フィールド中央を独力でドリブル突破。最後はPA右でボールを受け取ったMF鳥海がゴール右上へ豪快に突き刺し、1点差に迫った。
1-2で迎えた後半戦。両チームの攻防が目まぐるしく入れ替わる中で、札幌がこの試合初めての交代カードを切った。同16分にMF近藤友喜(24)が長谷川に代わって登場。7月下旬の紅白戦で左ふくらはぎを肉離れしたドリブラーは、第23節・磐田戦以来の出場で攻守に奮闘した。
リードを死守したい柴田監督は、同30分にMF田中克幸(23)とMF宮澤裕樹(36)を投入。同40分にもDF家泉怜依(25)とFW佐藤陽成(21)をピッチへ送り出した。3月のルヴァン杯でJデビューを果たしていた佐藤は、リーグ戦初出場。来シーズンの加入が内定している若き才能が、節目の一歩を踏み出した。
暑さの残る甲府のピッチ上で、札幌イレブンは最後まで集中力を切らさず、相手の攻撃を耐え抜いた。3試合ぶりの勝ち点3を積み上げ、「37」に。PO圏内6位との勝ち点差を9から7に縮め、柴田コンサの進撃が始まった。
▼▼以下に選手コメントと試合写真▼▼
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■リーグ戦初先発で先制ゴールを決めたマリオ・セルジオ
「チーム全体として、監督がやろうとしているサッカーを意識して、立ち上がりから相手に圧を掛けた。相手コートでプレーすることがうまくできた試合。自分自身もゴールが取れて良かった。(チームメートとゆりかごパフォーマンスしたことについて)どんな状況でもチームのために戦う姿勢だった。どうしても勝たないといけない試合なので勝てて良かった。子供が9日前に生まれて、神様がゴールをくれたのかな。残り11試合で11連勝を目指す。昇格を目指して勝ち続けたい」
■前節は負傷欠場したが、復帰戦でフル出場した高嶺朋樹
「新体制になってスペースアタッキングという新しいサッカーが始まった。きょうはチームで統一された戦いを90分間を通してやりきれた。特に前半は相手コートでのプレーが多かった。自分たちのサッカーを表現できたと思う。(自分が戻ったことで)真ん中でのセカンド回収。自分たちのボール保持に関してはターンや展開力が求められる。トランジション、攻守の切り替えや球際も求められる。試合を通して5、6回のタックルがあってボール奪取は最低限できたかな」
■後半40分から途中出場し、リーグ戦初出場となった佐藤陽成
「チームが勝っている状況だったので、交代してからやらなければいけないことは明確だった。自分の持ち味を出せれば良かったけど、チームが勝つことが1番。デビューはうれしいけど、そこまで感慨はないです。(警告を受けたプレーについて)チームとしても、あそこでいかれると相手のカウンターになった。責任を持って止めようと思っていました。チームのためのプレーです。(大学のリーグ戦が始まる9月2週目くらいまでチームに帯同するが)練習からしっかりやって試合に出続けることがベスト。そこを目標に。次の試合も出られるように来週も1週間頑張りたい」
(全6カット)
前半、ドリブルで攻め込むMF高嶺(中央)
前半17分、先制のゴールを決め、喜ぶFWマリオ・セルジオ(右)
前半30、追加点となるゴールを決めるDFパクミンギュ
前半35分、甲府・MF鳥海にゴールを決められ、1点を返された札幌
後半から途中出場したFW佐藤陽成
アウェーの甲府戦でJリーグの監督として初勝利を挙げ、高嶺(右から2人目)ら選手とハイタッチ交わす柴田監督(中央)