《平川弘のCool Eye》追加点が取れない。分岐点はいくつもある
悔しい引き分けに終わったいわき戦
中4日のいわき戦は1-1のドロー。もったいないゲームで、勝ち点3を獲らねばならなかった。2点目、追加点が取れない。
前節・磐田戦の反省を踏まえてゲームの立ち上がりを集中して入ろうという雰囲気を感じた。ただ、前半10分の初っ端にあったDF家泉のチョンボが失点に結びついていたらどうなっていたか分からなかった。久々に先発したGK菅野が落ち着いて1対1を止めてくれたから良かったが、家泉は菅野に何かご馳走しないと。前半34分には主導権を握ってうまくこぼれ球を拾い、左右の揺さぶりから家泉が先制点を奪った。菅野が助けてくれなかったら家泉の今季4点目はなかっただろう。
チーム最多得点者がCBという事 家泉が転倒した場面は…
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それにしても早くも今季4点目は凄い。チームのトップスコアラーがセンターバックというのもうまくいっていない札幌の現状を表している。DF岡村(現町田)もよく点を取っていたけど家泉も得点感覚を持っている。いわき戦のゴールはFWサンチェスの諦めないマイナスの折り返しが大きかった。
点を取ることができるのは嬉しいことだが、磐田戦に続いて家泉は失点に絡んでしまったので喜びは半減だろう。足を滑らせて転んで相手に応対できず、ぺナに侵入されてMF高嶺の足が掛かりPK。転倒の理由は、相手とボールを同一視野で捉えるためにバックステップしながら体の向きを変えようとしたが、バランスを崩したため。細かな足の運びができなかった。この辺は岩政監督の得意分野なのでマンツーマンでの指導がきっちりあるはずだ。
トドメを刺さないと危ない
2点目が取れないと勝ち点3を獲る確率は当然低くなる。1-0で勝てば良いのだが、いわき戦のゲームの流れは札幌が決定機を逃す場面が多かったので、「トドメを刺さないと危ない」と誰もが感じていたと思う。
サンチェスが裏に抜け出し、GKをかわして無人のゴールに流し込むだけだったシーン。最後は足元にボールが入り過ぎてしまい、インサイドキックが正確に当たらずかかと付近で蹴ったため、ボールの勢いが足りずにクリアされた。足元にボールが入ったが、それほど難しい体勢ではなかった。慌てたのだろう。あれを仕留めていれば2試合連続の得点で、本人もチームも乗っていける場面だっただけにチャンスを逃したのは本当に痛かった。分岐点はいくつもあるが、その一つであったと思う。