伊藤大海 悔しい1失点の完投負け…モイネロへのリベンジ期す「もっと楽しかったって言えるゲームに」
七回2死一塁、ダウンズを三振に取り吠える伊藤=撮影・岩崎勝
■パ・リーグ18回戦 日本ハム0-1ソフトバンク(8月10日、みずほペイペイドーム)
首位攻防戦・第2ラウンドで黒星
極上の投手戦は、相手に軍配が上がった。先発した日本ハムの伊藤大海投手(27)は最後の打者・マルティネスが中飛に倒れるのを見届けると、足早にベンチを後にした。8回4安打1失点の完投。しかも11三振を奪う力投を見せたが、投げ合ったソフトバンクのモイネロは3安打完封勝利と、さらに上を行かれた。首位攻防戦第2ラウンド、何よりも欲しかったのは白星だっただけに、伊藤は悔しさをにじませた。
「負けは負けなんで。あそこは防がなきゃいけない点数だった。1点ゲームにはなると思ってたので、もったいなかったなと思います」。
三回に失点を許し、悔しそうな表情でベンチに戻る伊藤=撮影・小田岳史
その防がなければいけない唯一の失点は三回だった。登板前日の9日に「(星5段階で)星6」と警戒度を高めていた牧原大と近藤にやられた。先頭の牧原大を投手強襲の内野安打で出塁させると、2死二塁で近藤を迎えた。内角を狙った真っすぐが甘く入ると、8月の月間打率.500を記録している強打者は逃さなかった。左中間を破る二塁打を浴び、この失点が決勝点となってしまった。
【ファイターズ 関連ニュース一覧】
近藤さんは人として大好きですけど…
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
2022年までチームメートで、侍ジャパンでも共に戦った間柄。もちろん遠慮があったわけではないが「近藤さんは本当に人としても選手としても大好きですけど、もうチームメートじゃないっていうのはちゃんと頭に入れて戦わなきゃ」。その言葉通り、五回の対戦では内角を厳しく突きながら二ゴロに仕留めた。「当てない自信もありましたし、しっかりコントロールし切れるっていう部分もあったので、その前の打席が悔しい結果だっただけに、より厳しく、厳しくっていうところで、やっぱりあそこまでしないと、今どうにもならない状態なのかなっていうのもある」。やられただけじゃ終わらずに、すぐさま強気に戦う姿勢を示した。

モイネロとの投げ合いすごく楽しい
試合時間2時間25分の投手戦。テンポ良く試合が進んでいくモイネロとの投げ合いには心躍るものがある。「個人的にモイネロ投手との投げ合いはすごく楽しい」。今季4度目の投げ合いで競り負け、伊藤の1勝3敗。モイネロは3勝0敗といまだ土を付けられていない。8月22日からは、エスコンでソフトバンクとの3連戦が予定されており、再戦の可能性も高い。伊藤はリベンジを誓った。「次当たって、もっと楽しかったって言えるようなゲームにしたい」。

残りの直接対決が重要になる
また、ペナントを争うソフトバンクが持つ勝負所での強さを改めて感じた。「やっぱり1番から9番まで気の抜けない打線ですし、今のベスト(メンバー)だとは思いますけど、まだまだ今宮さんだったり、栗原さんだったり(がいる)っていう中で、これだけのゲームをしてくるので、残りのソフトバンク戦はすごく重要になってくると思います」。やはり、王者を倒さないと優勝はない。直接対決は残り7試合。ここまで7勝11敗と分が悪いが、もう負けるわけにはいかない。道産子エースが、逆襲の夏を先導する。

【道スポが全部読める! お得な年払いプラン】