伊藤大海が見せる後輩投手への気遣い エースがあえて声をかける理由
両リーグトップの今季12勝目を挙げた伊藤=撮影・松本奈央
■パ・リーグ20回戦 日本ハム7-5楽天(8月17日、楽天モバイルパーク宮城)
両リーグ通じて単独トップの12勝目!
日本ハムの伊藤大海投手(27)が先発マウンドに上がり、両リーグトップの今季12勝目を挙げた。好調の楽天打線を相手に7回4安打2失点。ボイトの2ランによる2点に抑えた。
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チームメートの投球内容をチェック
チームをけん引するエースは周囲の状況に目を配り、気配り、心配りができる男だ。後輩投手が試合で結果を出せなかった時は、登板翌日に声をかける。
「僕が話しかけてほしいタイプなので。(打たれた後は)話しかけづらいじゃないですか。気を使われるの嫌なので」。週に1度の休日も、中継動画を見るようにしている。「ちょうど釣りの休憩時間とかぶるので」。趣味の合間にも、チームメートの投球内容をチェックしている。
ハッキリ指摘することの大切さ
アドバイスの仕方も工夫する。「ハッキリ言う。ここがあまり良くなかった。でも、ここは良かったみたいな。悪い中にもアウトは絶対、取れているわけで。次、また前向きにいけるように心がけています」。話していくうちに、自身も発見があることが多いという。

影響を受けた2人の先輩ピッチャー
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投手はマウンドで孤独だとよく言われる。「ピッチャーのことを分かってあげられるのは、ピッチャーかなって」。積極的に話しかけるようになったのは、先輩たちの影響が大きい。
「(現ソフトバンクの)上沢さんじゃないですか。(プロ)1年目から、そういう時こそ声をかけてくれた」。どちらかといえば「わが道を行くタイプ」という加藤貴も「悪い時に、ネガティブにならないように声かけしてくれる」。ともに先発ローテーションの柱を担ってきた2人はいつも近くで寄り添ってくれた。
2021年9月5日のロッテ戦、試合前練習を笑顔で引き揚げる(左から)上沢、伊藤、加藤貴
長いシーズンを見据えた平常心
プロ5年目を迎え、先輩たちから学んだことは、普段の立ち振る舞いに生かしている。
「なるべく僕は自分で精神的な部分は保つようにしています。良い意味で、打たれても勝っても感情は変わらないです。何ができたか、何を得たかとか、一喜一憂しなくなりましたね。もちろん(勝利は)うれしいですけど、一喜一憂したら(シーズン)持たないです」。長いシーズンを乗り切るため、常にメンタルを一定に保っている。
12勝目の伊藤(右)に声をかける新庄監督
ルーティンも継続中
おととしの10月から始めた本拠地・エスコンフィールド北海道でのウオーキングも継続している。早起きが習慣となり「やらないと気持ち悪くなっちゃったので」
自らを律するエースの姿は、後輩たちの良きお手本となっている。