《大海の部屋》vol.4 エース右腕が選ぶチームのNo.1 直球、変化球、打撃、かっこいいなど各部門の1位は?
チームの各部門ナンバーワンを選んだ伊藤
エース右腕が独断で選定する〇〇ナンバーワン!
日本ハム・伊藤大海投手(27)の連載手記『大海の部屋』vol.4のテーマは、「うちのチーム ここがすごい!」。交流戦を終えてリーグ首位と好調なチームの各部門ナンバーワン選手を挙げてもらい、その理由を語ってもらいました。項目は野球にまつわるものから、面白い、頼りになるといった人柄が分かるものまで。雰囲気の良さが伝わるエピソードが満載となっています。
(連載手記『大海の部屋』は、北海道新聞の紙面でも要約版がお読みいただけます。今回は6月24日付の新聞に掲載します)
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チームの雰囲気は最高
春季キャンプ中から言っている通り、チームのムードはずっといいですね。去年もいいと思ったんですけど、今年はよりいい。逆境すらも楽しめている、そんな感じに見えています。
みんなチャンスで(打席が)回ってこい!と思っているし、ピッチャーもランナーがたまったら、オレに行かせろくらいの気持ちだと思う。みんながいい意味で目立ちたがっています。そんなチームを僕なりの視点で紹介させてください。
【直球】 北山亘基投手
「北山、じゃないですか。(球速が)平均で151㌔くらいだと思うので。速いし、強さがあるというか。古林(睿煬)も真っすぐがいいんですけど、亘基の場合は入団してきた時から空振りを取れる真っすぐというか、推進力のある強い真っすぐですね。初速と終速の差が少ないのもあると思います。打者が速いと思って準備していて空振りしているので、より速く感じる何かがもちろんあると思いますし、真っすぐで勝負しきれるピッチャーですね。亘基とは、どちらの平均球速が速いかお互いに意識しています。僕も速い方なんですけど、それを上回ってくるので。すごいっすね」
伊藤(右)が直球No.1に選んだ北山
【変化球】 河野竜生投手
「王道かもしれないけど、竜生のカット(ボール)じゃないですか。バッターも完全に真っすぐだと思って振っている感じ。バッターは振ってから、『ああ、カットだったぁ』って感じだと思う。あのカットはたぶん、ずっと投げてても打たれないと思う。(元中日)岩瀬さんのスライダーみたいな感じじゃないですか。バッターもたぶん6割以上、カットに意識を置いていると思うんですけど、それでも抑えられるので相当いいと思います。(ソフトバンク)近藤さんとか目が良いバッターの方が、たぶん嫌だと思いますね」
変化球ナンバーワンに選ばれた河野
【バッティング】 吉田賢吾捕手
「飛距離はモーレ(レイエス)でしょう。(技術なら)賢吾。たぶん読み打ちはしてるんすけど、コンタクト率がすごいというか、チャンスの時に1球で仕留める力というか。ファーストスイングから自分のスイングができているのと、(配球を)読む力とか、そういうのも含めて。あと、賢吾が打つとチームが(勢いに)乗りますよね。得点に絡むバッティングをしているというか、それってたぶん、バッテリーに勝っている。賢吾が(バッテリーに)勝ってくれると、ほかのバッターにもいい影響が出てくる。ダメージのある一打を打てるタイプですね。バッテリーから見たら、めちゃくちゃ嫌なタイプのバッター。普段から結構、話をしますし、一回、ブルペンに(ボールを)受けに来てくれて。フレーミングがめっちゃうまいですね。野球センス抜群です」
野球センス抜群と称された吉田
【守備】 山県秀内野手
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「1人、挙げるのはむずいな~。みんなうまいけど、ガタシュー。安心感ありますね。全部、うますぎて普通のプレーに見える。(西武の)源田さんとかもそうじゃないですか。派手に見えないので、うまい人は結局、どんな打球が行っても正面に入れているし。捕ってアウトにしてからの笑顔もかわいい。(Fビレッジの公式キャラクター)〝えふたん〟にしか見えないですよね。めちゃめちゃ〝えふたん〟に似ている。ヒットとか打たれて、返球もらうために後ろを見ると、笑顔でアウト確認していて心が落ち着きます(笑)。癒やし効果もありますね」
山県の守備はチームメートに安心感を与える
【走塁】 矢沢宏太投手兼外野手
「宏太かな~。今、タイムも(一番)速いじゃないですか? イソ(五十幡)より速いと思う。ほぼソニック(音速)って感じでめちゃくちゃ速い。僕も学生時代まで自分で足速いなと思っていたんですけど、あの2人(矢沢、五十幡を)見たら(笑)。積んでいるエンジンが違いますね。どういう景色で走っているのか気になります。マジで速い」
走塁ナンバーワンの矢沢
【かっこいい】 達孝太投手
「顔ですか? 達!マジでかっこいいです。普通に顔がかっこいい、身長が高い、スタイルいい。性格もめちゃくちゃいいですし。落ち着いているし。感動したのは、キャンプ中にサロンみたいな食事するところで、先に僕が1人で食べていたんです。孝太も来て、目の前に座って食べる時にあいつ1人で誰も横にいないのに、合掌していただきますと言っていて、すてきだなって。僕もそれ見てやるようになりました。人としてかっこいいし、いいことだなって僕も始めました。本人は恥ずかしいので、見ないでくださいよって言ってましたけど、いいなって思いました」
人としてもかっこいい達
【かわいい】 古林睿煬投手
「ガタシュー(山県)出しちゃったじゃん! グーリン、グーリン! ずっと笑っているじゃないですか。結構、話をしますし、(助言を)聞きにも来てくれるのでかわいいですね。この前は、体重移動について、どういうふうにしていますか、と聞いてきたので、説明して。球も強いし、落ち着きあるし、笑顔もかわいい。(田宮)裕涼だと、ありきたりじゃないですか(笑)」
笑顔がかわいい古林
【面白い】 加藤貴之投手
「加藤貴之。面白いです。全部、面白いです。みんなを平和にする面白さ。誰も傷つけない。毎日、絶対に何か仕掛けてくる。見ていて飽きない。玉井さんと2人だと、コントしているみたい。2人も絶対、周りに聞こえるようにやっているんですよ。狙ってやっているんですけど、あの2人の会話は、聞く気ないのに入ってくるし、ニヤニヤしちゃう。あと、チョコとかいつも何かくれますね。この前は、ヘアミルク。頭につける美容液みたいな。ちょっといいやつを急に。使いかけですけど(笑)。新しいのを買ったみたいでした」
全部が面白い加藤貴
【頼りになる】 松本剛外野手
「(選手)会長じゃないですか。会長が(1軍に)いると、より雰囲気が良くなるというか、いない間はみんな元気がない。いなきゃ困りますね。成績以上に、いることに意味があるというか。結果が出れば、さらにというところもありますが、いるといないでベンチもそうですし、ゲームの核になる選手。みんなそれは思っていると思いますね。剛さんがいないと、みんな責任感とか、誰か引っ張らないといけないとなる。その雰囲気はそれで良かったですけど、剛さんがいて全体を見てくれる方が。みんなに声をかけて、気にかけて、気疲れしていないか心配になるくらいです」
伊藤(左)にとっても頼れる存在の松本剛