ファイターズ
2021/10/11 14:14

谷内初ヒーロー 今季初適時打が決勝打

今季はこれまでR・ロドリゲスのバット選びで陰のヒーローとなっていた谷内が、自らのV打で移籍後初のヒーローインタビューに応じた(撮影・桜田史宏)

日本ハム4ー2ロッテ(9日、札幌ドーム)

 アミーゴ・谷内が勝ち越し打だ! 日本ハムは9日、札幌ドームで行われたロッテ戦を4―2で勝利した。2―2で迎えた四回1死一、二塁、「9番・遊撃」で今季6度目の先発出場を果たした谷内亮太内野手(30)が、中前に見事な勝ち越し適時打を放って勝利に貢献。守っては先発のドリュー・バーヘイゲン投手(30)が6回2失点(自責0)。中継ぎ陣もゼロを並べ、2位のロッテに今季初めて連勝した。

 “守り神”が試合を決めた。2―2と追いつかれた直後の四回1死一、二塁。カウント1―1からロッテの先発・本前の直球を中前に運んだ。
 前日8日の今季初打点に続く今季初適時打でチームを2連勝に導き、移籍後初のヒーローにも選ばれた。「非常にうれしいなと思ってます」とF党の前で素直な気持ちを口にした。
 家族も観戦に訪れていた。2歳の長女と、27日に1歳を迎える次女を支える2児のパパ。普段、長女がテレビ観戦している時、出場した瞬間には指をさすなどして父を認識しているようだが、途中出場が多いことから、すぐに画面が切り替わって「どこにいったの?」みたいな会話を妻としているという。
 一転、この日はフル出場で奮闘するパパの姿を生で見せられたはず。「どうなんですかね。どれがパパか分かってないと思う」と笑った。それでも最後は「きょうは分からなくても、数年後にそういう一日があったと残せたことが大事かな」と胸を張った。
 移籍3年目。内野の全ポジションを高いレベルで守ることができることから、主に守備固めとして、計151試合に出場。失策はいまだゼロ、守備率は100%を誇っている。栗山監督も「全部のポジションで守備固めができるなんて、初めて見たよ」と鉄壁の守備力に全幅の信頼を置いている。
 試合前練習では、通常の行程を終えた後に多くの時間を守備練習に費やす。試合では、最初に守備のポジションに就いた際に、その場で帽子を取って一礼し、グラブでポンと地面を軽くタッチ。自分の持ち場と“あいさつ”を交わす。
 「神頼みじゃないですけど、練習はしっかり準備をして、試合に入ったら『きょうもよろしくお願いします』って」。守備職人は「普段のグラウンド整備から、そういう気持ちを持っている」と、“仕事場”に誠実さを忘れることはない。
 そして、ファーストプレーを重要視する。この日の最初の守備は、一回無死二塁、ロッテ・和田の放った中前に抜けそうな強烈なゴロの処理だった。横っ跳びではじいたが、触ったことにより二走が生還することなく、一回を無失点で切り抜けることにつながった。
 しかし、谷内自身は「追いついてグラブに触っている以上は捕らないといけない。自分のファーストプレーではじいてしまったところは、まだまだ反省しないといけない」と唇をかんだ。
 今年で30歳となったが、「まだまだ若手のつもりでアピールしないといけない」。すでに代えのきかない選手ではあるものの、貪欲にポジション獲りを狙っていく。
(十島功)

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