高校野球
2021/10/05 11:52

東海大札幌高4強 プロ注目左腕・門別12K完投

東海大札幌高の門別は12三振を奪って完投勝利(撮影・小田岳史)

■秋季全道高校野球第4日(4日、札幌円山ほか)

 準々決勝4試合が行われた。東海大札幌高は2本塁打などで序盤からリードを広げ、白樺に6―1で勝利。左腕エースの門別啓人投手(2年)が9回を3安打1失点、12奪三振で完投した。札国際情報は18―0で士別翔雲を六回コールドで下し、2季連続の4強入り。右横手のエース・三浦隼太郎(2年)が6回0封。打線も3戦連続の2桁得点2桁安打で支えた。5日間の休養日を挟み、10日に準決勝、11日に決勝が行われる。

 ▽準々決勝(1時間55分)
白    樺 000 100 000∥1
東海大札幌高 320 001 00X∥6
▽本塁打 唐川、守野(東)

 東海大札幌高のプロ注目左腕・門別が、大会NO・1投手の実力を見せつけた。八回までに10三振を奪うと、九回は「力を入れた」とギアチェンジ。直球で2つの空振り三振を奪い、12奪三振で試合を締めくくった。

 プロ野球楽天のスピードガンでは四回に144キロを計測した。宮越徹スカウト(43)は「2年生のこの時期にこれだけの球が投げられるのはかなり楽しみ。来年の夏ぐらいにはけっこうな投手になっていそう」と絶賛。大脇英徳監督(46)も「白樺は強力打線ですけど、相手をよく見て投球できた。ナイスピッチング」とうなずいた。

 1年秋から名門の背番号「1」を背負ってきた。今夏の南北海道大会、準々決勝の北海戦では六回途中8失点で降板。チームもコールド負けを喫した。

 夏の敗戦後はさらなるレベルアップを目指し、フォーム改造に着手。プレートを蹴ってから地面に引きずっていた左足を、浮かせて着地するように修正した。軸足の使い方を変えたことで「球に体重が伝わるようになった」と効果を実感。直球の最速は146キロから149キロまでアップした。

 準決勝、決勝は連投の可能性もあるが、対策は万全だ。支部予選終了後から60~70球の投球練習を毎日行い、スタミナを強化。3試合連続完投も視野に入れている。

 優勝し、翌年の選抜甲子園で準優勝した2014年以来の4強進出だ。門別は「きょうが一番のヤマ場だと思っていた。乗り越えられたので、次の試合は初回から全員で勢いよく戦いたい」。夏に悔し涙をのんだ円山のマウンドで、左腕が進化を証明する。(島山知房)

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