アマ野球
2022/07/11 22:45

《人ほっとコーナー》渡辺匠さん(52)恵庭リトルシニア監督が日本代表コーチに就任

リトルシニア夏季大会決勝で、試合前にノックをする恵庭の渡辺監督

根底には北海高・恩師の教え「ルールを最大限に生かし、戦うことを大事に」

 2007年から恵庭リトルシニアを指導し、今年で16年目になる。15年には監督に就き、17年の東日本大会を制した。そこから3年間、道選抜の監督を務めた実績などが認められ、このほどリトルシニアの日本代表コーチに就任した。今月下旬に米国イリノイ州で開催される「MCYSA全米選手権大会」に帯同する。

 「代表18人は能力の高い選手が揃っている。コロナ禍で事前に全体練習はできないが、各選手がレベルの高いところでやっている。コミュニケーション能力も高い。一つになれば、良いチームになる。その手助けしていきたい」と意気込む。

 指導者としての根底には、恩師でもある北海高の前監督・大西昌美氏(65)の存在がある。自身の高校2年時、同氏がコーチから監督になった。冬は教室で〝勉強会〟。ルールや戦術を叩き込まれた。「大西先生からは基礎、基本を学んだ。ルールを最大限に生かし、戦うことを大事にしている」。

 具体的には「ゴロ捕球や挟殺、一つ一つの積み重ね。そして1シーズンに1度あるかないかのプレーも教えている」と親交が続く恩師の教えを受け継いでいる。

 教え子の多くがチームに入ってから初めて硬球を握る。モットーは子供たちと目線を一緒にすること。「ノックも打ちますけど、子供たちと一緒に声を出しながら、身ぶり手ぶりを交えて見本を見せる。体が続く限り、やっていきたい」。日本代表でもその姿勢を貫くつもりだ。

 道内のリトルシニア指導者が国際大会を戦う日本代表にコーチとして派遣されるのは、札幌新琴似の生嶋宏治監督(61)以来17年ぶり2人目だ。「生嶋さんは本当にすごい監督。選手をまとめ上げる手腕は素晴らしい」。尊敬し、目標とする指導者と自らも同じ道を歩むことになる。

 大会には米国、プエルトリコ、ブラジルなどが参加する。日の丸を背負い、子供たちの世界制覇を後押しする。

■プロフィール

 渡辺 匠 (わたなべ・たくみ) 1969年12月1日、恵庭市生まれ。恵庭小3年時に恵庭ジュニアスワローズで野球を始める。OBだった父の影響で北海高へ進学。3年時の南大会2回戦で函有斗に敗れたが、プロ野球の大洋(現DeNA)などで活躍した盛田幸妃から二塁打を放った。卒業後は恵庭市役所に勤務。現在、事務局次長として議会運営に携わる。家族は妻と2女。休日は2匹の愛犬に癒やされる。169センチ、67キロ。右投げ右打ち。

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