これぞエース!上沢8回0封 まな娘に届けた今季本拠地初白星
■日本ハム2-0ソフトバンク(14日、札幌ドーム)
2戦連続でタカ打線封じチームは3連勝
日本ハムは14日、札幌ドームでソフトバンクと対戦し、2―0で快勝。8カードぶりの勝ち越し&今季2度目の3連勝を飾った。上沢直之投手(28)が8回5安打無失点とエースらしい投球を披露。本拠地での今季初白星を手にした。
前回からフォーム修正 中盤からハマり尻上がりに
これがエースの仕事だ。先発の上沢が、尻上がりに調子を上げて8回5安打無失点の力投。前日13日に完封勝利を挙げた伊藤の配球や攻め方を参考に、12球団トップのチーム打率を誇るタカ打線を封じた。
今季5度目の本拠地登板で、待望の白星をゲット。愛する家族、そして宝物のファンがスタンドで見守る中、「札幌ドームでなかなかいいピッチングを見せられず、本当にファンの方には申し訳ないなと思いながら過ごしていました」とホッとした表情を浮かべた。
四回まで毎回走者を背負う苦しい展開だったが、五回以降は「自分の投球フォームに集中することができました」。2点リードの八回には1死から四球を出したが、3番の柳田をフォークボールで注文通りの遊ゴロ併殺に仕留めた。
前回登板した7日の西武戦(ベルーナドーム)で、今季初勝利をマーク。満足することなく、この1週間は投球フォームを試行錯誤してきた。より良い体重移動を目指し「右足に体重をかけたままにして、体重移動をほぼしない。左足を優しくつくような感じ」に改良。試合中盤から新フォームがピタリとハマった。
今季から新庄ビッグボスが就任し、横一線での競争がスタートした。昨季チームトップの12勝を挙げた上沢は「絶対に成績を残さないといけない。プレッシャーの方が大きい」。昨オフは新たな試みとして、動作解析の専門家の下へ出向いた。
「動作さえ、しっかりしていれば、良い球を投げられる。(体の)どこを使ったら出力が出るのかとか、骨盤の解析をしてもらった」。そこで学んだ知識を生かし、シーズンに入ってからも理想のフォームを追い求めている。
これで自身2連勝。応援に駆け付けてくれた家族の声援も励みになった。2歳のまな娘は大の野球好き。この日、上沢が自宅を出ようとすると、早くも「球場に行く」とせがんできた。
「見に来た試合でやっと勝てて良かった。(負けたら)やっぱり気を使うじゃないですか。きょうは普通のテンションで家に帰れる」。108球の熱投を終えたヒーローは、心優しきパパの顔になっていた。