予定変更で最高の答え合わせ
2軍で調整中だった日本ハムの宮西尚生投手(40)が12日、1軍キャンプ地の沖縄・名護を訪れ、ブルペンで山本昌臨時コーチ(60)から金言を授かった。50歳まで現役を続けたレジェンドの思考や理論は、最高の教材。ベテランならではの課題や悩みについても親身に答えてもらい、充実のひとときを過ごした。一問一答は以下の通り。
【ファイターズの最新記事はコチラ】
ー山本昌臨時コーチの指導を受けた
「率直にレジェンドの方、長くやられてきた方の指導を受けられるというのはすごく楽しみでしたし、いい一日が過ごせたなと思います」
山本昌氏(右)の指導を受け、ブルペンで投球する宮西
ーコンディショニングの部分を特に質問していたが
「技術的に落ちるのは年齢が重なったとしても、そこまで急激ではない。どちらかというと移動とかを含めてコンディション、いい状態をキープすることの難しさにここ数年、苦労している。どうされていたのか、どこを注意していたのか、というところ。ピッチング中ではありましたけど、そっちの方も聞きたいと前日から考えていたので、先にそれを聞きました」
ーシーズン中に生かせるような内容だったか
「もちろん生かせる部分はありますし、技術の方もそうでしたけど、自分の中でそれをものにできるか、ということが全てだと思います。ただ、山本昌さんから、引き出しの一つとして全て思ってくれればいいと。あとは自分でどう工夫していくか、そこが大事だということは常に言われてました。そういう引き出しがたくさんいただけたのは大きかったなと思います」

ー指導を受け、手応えを感じた部分は
「コントロールのライン出しを自分とは違うところで意識されていたので。肩。僕はグラブで意識していたんですけど、肩の方もいいよというアドバイスをいただいて。最後にちょっと試したんですけど、しっくりくる感じがあったので、ちょっと変えてこの後からやってみたいな、というような手応えも感じてます。もう一つは重心の高さ。年々、高くなる。これはすごく感じていたことだったので、それを岩瀬さんにも言っていた、というお話をされていて。本当にそこは大事だなと僕自身も感じてたいたところ。そこの意識の持ち方というところを指導してくださった。個人的に状態も良くて、すごくやりやすいというか、意識付けがしやすいタイミングだったので、いい機会だったなと感じました」
ー新庄監督も視察していた。どんな話をしたのか
(残り2886字)
▼▼ここから有料エリア▼▼
「山本昌さんは50歳までやられて。自分の場合はまだ40歳で10歳も年の差がある。おまえはまだガキんちょやと言われました(笑)」
ブルペンで新庄監督(左)に声をかけられる宮西(右)
ーそれを受けてどう思ったか
「率直にまだやれるぞと、ハッパをかけられている感じで、すごくありがたかったです。それが全てかなと思います」
ー山本昌さんの指導によって、今後10年間のプランなど、視界は広がったか
「すごく勉強になりました。ただ、それを生かすも殺すも自分次第だと思いますし、しっかりと自分のものにできるところはものにして継続して。進化、成長というのをおろそかにした時点で引退と思っているので、やめるまで精進していきたいなと思っています」
ー開幕に向けて、いい状態で入れそうか
「実戦も投げていませんし、ブルペンもきょうで4回目ぐらいなので、まだですけど、手応えはすごくあります。きょうの指導を生かしながらやっていきたいなと思っています」

ー岩瀬さんの1002試合登板という数字はどう捉えているか
「山本昌さんにも言われましたけど、目標は頑張れる材料にもなる。そこは常に目指してやっていけとハッパをかけられました。僕自身、(1000試合までの)残り100試合はすごく大変というのは身に染みて分かるんですけど、期待していただける、チャンスがあるので、1試合でも多く岩瀬さんの記録に近づいていきたいなと思います」
ーチームはリーグ優勝、日本一を目指している
「それを目指してこのオフは取り組んできましたし、チーム一丸となってしっかり戦っていきたいなと思います」
ーきょうこの1軍のブルペンで投げることは事前に決まっていたか
「2日前ぐらいに言われて、ピッチング(の予定を)変更してきました(笑)」
ー山本昌さんから指導を受けると聞いた時はどう感じたか
「ありがたかったですね。コーチにも指導していただけますけど、この年になってくると、指導されるということがほぼない環境になってきているので。レジェンドの方々に指導されるというのはすごく貴重。ルーキーでも貴重なことなんですけど、僕にとってはもっと貴重。指導していただける方と巡り会えるというのは、本当に数少ないので、来られて良かったなというのが第一ですね」

ー山本昌さんが年齢を重ねると、軸足が浮いてくると
「ユニホームの裾の部分に土が付いて汚れるというのはかなりありましたけど、年々、付かなくなってきている。マウンドの硬さも影響はあると思うんですけど、そんな深く沈まんでも引っかかる分、パワーが出るという。それが楽な投げ方で、足を使いすぎると膝にきたりとか。硬さに慣れず、というパターンもあったし、おのずと楽な方に楽な方にと体は逃げてしまうので、低く低くということが一番大事と言われました」
ー意識するだけでできるものか
「意識を持ち続けることが大事と言われたのが、自分の中でまさにその通りやと、あらためて再確認させられた。そこの意識がおろそかになっている部分はあったので、非常に良かったです」
ー意識して投げることで違うものか
「もちろん。意識が変われば全てが変わってくると思う。きょうは、はっきり分からんかもしれんけど、あした、あさって、1カ月後で変わってくると思うし、継続することは大事かなと思います」
ーコンディション面でいいアドバイスをいただけたか
「ブルペンの最中だったので深くまでは聞けなかったですけど、自分(の体)が硬くなってきていると同じことを言っていたので、そこは入念にやっていった方がいいと(助言を)いただけた。間違っていなかったなという答え合わせができたというか。じゃあ、どうすんねんというのは自分で考えないといけないことやと思うし、全部が人の意見というのも違うと思う。ヒントをもらえたので、そっちの方向で間違っていないという安心感で、自分はいけるかなと思っています」
ーいろいろな質問を考えていたのか
「パッとすぐ思い付いたのは技術的なことよりもコンディション。年齢を重ねると筋量でもなんでも、人間として落ちていくもので。だけど、まだそこまでいってないというか、むしろ上がっている状態。技術的なところよりもコンディションの維持。ここ数年、コンディションが落ちて技術が落ちている。コンディションが落ちることでパフォーマンスを100%出せないところのモヤモヤ感があったので、そこを確認したかったというのが第一でしたね」

ー山本昌さんは、年齢を重ねても技術は落ちないと
「その通り。自分もここ数年、1年間通して戦えていないですけど、体のコンディションが悪くなってから、どこかしらが固まってきたり、全然ほぐれない。どれだけケアしてもほぐれないということが始まってパフォーマンスが出ない。そういうパターンだったので、そこをどうにかしないといけない。元気な時は全然、抑えられる自信もあるし、そこの部分をしっかりと聞きたいなというのがありました」
ーさらに長く続けるコツ、秘けつは見えたりしたか
「自分と同じくらいの年で170イニングぐらい放られてるのかな、確か。化け物ですね。努力であったり、考え方であったり、全てがトップだからこそ長くできるわけだから。長くされてる方、ミズノのアンバサダーで石川さん(ヤクルト)と話しても、長くやっている方の言葉はだいたい同じなんですよね。ポイントとしてる部分は違えど、結局、ゴール地点は一緒。共通しているなというのはすごく最近、感じていて。答え合わせができてるというか。答え合わせがないままだと、不安じゃないですか。ここ数年は答え合わせをできているので、間違っていないという自信のまま、いけそう。今回も山本さんに答え合わせをしてもらったので、思い切ってこのまま意識を持ち続けてやっていきたいなと思います」
ー岩瀬さんとは交流がある
「岩瀬さんがちょうど引退される年かな。表彰で『最後に俺は1000(試合登板)にいったから、そこを抜かして来いよ、という一言をポッと言われて去っていったので、かっけーと思ったことあります。それだけです」
ー山本昌さんは最年長登板を更新してほしいと
「フッ…勘弁してくださいよ(笑)」

ー40歳超えても体力はそこまで落ちないと
「落ちたけど、落ちてからあまり変わらないかな」
ーその後は50歳まで一定だったと
「もともとのポテンシャルが違うかもね。そうやって言っていただけることが本当にありがたい。ホンマ、この年になってくると後輩に声かけることばかりやから。声をかけてもらえるというのはすごくありがたいことやから。貴重な経験でした」
ーあと100(試合)と言われていたが、どう返したのか
「ここからの1試合ずつは結構、大変ですと率直な思いを。1000とかいったら名球会も俺は推薦するからと。それくらいハッパをかけてくれたので、ありがたかったですね」
ーチェンジアップの投げ方もレクチャーされたか
「チェンジアップはめちゃくちゃいいと褒められて。スクリューの話を聞いた後、トータル的に変化球も真っすぐもそういう感覚ですかと逆質問して。試すというよりも意見交換というか、そういうブルペンでしたね」
