【一問一答】宮西尚生 19年目を前に「あのね、気付いたことが一つ」〝宮西ロード〟は「半分ぐらいは本気」
契約更改を終え、会見する宮西=撮影・松本奈央
記録以上に大切にする〝最後の目標〟は…
日本ハムの宮西尚生投手(40)が28日、エスコンフィールドで契約更改交渉を行い、現状維持の6500万円でサインした(金額は推定)。プロ19年目のシーズンへ向かう熱き思いを口にした。一問一答は以下の通り。
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―サインは
「しました」
―金額は
「非公開でお願いします(笑)」
―球団に何か伝えたか
「ブルペンのアップする場所を拡大してほしい。そういうことを話しました」
―球団からどんな言葉をかけられたか
「そういう話し合いはシーズンが終わってすぐにしたので、もう忘れましたけど。一番印象に残っているのは、来季も戦力としてこちらは見ていると。その言葉に尽きるかなと思います」
―ファイターズに残る決断をした理由は
「最初のFAの時に言っているので、知っている方は知っているのかなと思います」

―特別な思いがある
「このチームに対する思いは強いですし、ほかの球団でとか、海外でとか、いろんな選択肢がある中、それをしたとしても自分の人生やし、いい経験ができたと思います。ですが、自分の場合は残留という決断を常にしてきて。若いチームの中で1人、年齢がいっている19年目になりますけど。今の野球というか、若い選手たちと野球をしていることが楽しくて、勝つ喜びというか、同じように成長できていると感じさせてくれるこのチームに残って良かったなと思う。この数年、フルシーズンという、僕がルーキーの頃から目標にしていたところを果たせていない。その悔しさは毎年ありますし、この年になってくると、自分の目標を達成できていないことで考える部分はありますけど、それをはるかに超えるほど、ファイターズには魅力がある。今年もあと一歩で逃しましたけど、優勝できるチャンスも見えてきていますし。またメンバーは変わりますけど、来シーズン、優勝を目指して、最後はボスを胴上げして気持ち良く終わりたいなと、そのような目標を掲げています」
―良かった点、課題は
「良かった点は30試合放れたことであって。悪い点ばかりですね。50試合投げろと言われたら、投げられる体力はもちろんありますし、技術的にも落ちたということではなくて。年齢なのか分からないですけど、コンディションを維持させるための答えを見つけきれていないから、同じような成績になっているのかなと。そこが反省点かなと」
―今年は900試合登板を達成
「900試合達成…これは積み重ねがあるので、今年に限って一概に言えることではない。それが大前提ですけど、今年はもう、ボスに取らせてもらった900試合。この900試合を意味あるものにするために来シーズン、爆発的な成績を残さないと申し訳ないなと感じています」
―優勝まであと一歩だった。実感があったか
「中におるからこそ感じますし、その一歩がすごく大きいと感じるのが現実。だからこそ優勝するのが難しいわけで。できないチームではないと、はっきりこの2年で証明できている。あとはボスがどうこうではなく、選手たちがどう考えて行動できるか。どういうプレーができるか、ということが大事になってくる。その中で、かじを取るのはボスですけど、やるのは選手。意識の高さ、一つのプレーだったり、そういうことが全てかなと」

―達成のためにどう力になりたいか
「プレーヤーとして結果を出すことが第一ですし。それだけでなく、気持ち的に負けている時、つらい時期を支えてあげるのも自分の仕事だと思う。そういうところもサポートしつつ。でも一番は結果を出し続けること」
―全てを捧げていく覚悟で
「そういうつもりでここまでやってきていますし、最後にいい思いをして現役を終えるというのが今の僕の理想像なので。そこを目指していけるところまで頑張る」
―新庄監督を胴上げして終わりたいという言葉の真意は
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「それはその時にならないと分からない。今の気持ちはもう一度、ファイターズで優勝したい、日本一になりたい。その思いしかない。数々の記録とかありましたけど、それ以上の強い気持ちでそこは目指したい、という思いが最後の目標。それを達成した時にどう思うか、というのは自分自身でも今は分からないです」
―19年目となる来年はどんな1年にしていくか
「19回もそんなことばかり聞かれていたら、もう答えることがない(笑)。でも毎年、新たな気持ちで、挑戦者のつもりでレギュラーをつかみにいく。これは大前提だと思うので変わらず。ルーキーもベテランも全員が平等でスタート地点は一緒だと思う。しっかり勝ち取って、開幕からフルに戦っていけるようにしていきたい」

―50試合登板やホールドのタイトルも
「やるからには50試合以上、投げたいですし、タイトルももちろん、この年で取ったら相当すごいでしょ。そういう前例のないことはボスも好きだと思うので、そこを目指してやっていこうかなと」
―ファンへ
「19年目の宮西ですが、ルーキーのように温かく見守ってください」
―条件的には納得しているか
「納得しているから、ハンコをもちろん押しています」
―いい評価をされたか
「いい評価じゃないかな。すごいいい評価だと思います」
―先日、宮西像ができた。リップサービスかもしれないが、1000試合登板までいけば、もう1体という話もしていた。そこを目指す気力はまだまだあるか
「うん、それはね、もちろん挑戦権があるわけですから、1個でも近くという意味で目指したいですし。あれはね、ファンフェスの中のあれなので、ちょっとリップサービスで言いましたけど、半分ぐらいは本気で宮西ロードつくれよと思っていますけどね(笑)。銅像で。矢印でね。10個ぐらいあれば、あれじゃない。というね、ネタでは言いましたけど、エスコンの中1つでも銅像ができたというのは、変な感じやねと」
―一年一年、燃え尽きてもいいという思いでシーズンに臨んでいるのか
「もちろん。ここ数年は毎年やめようと思いながら、来年で勝負という形でずっと来ていましたし。そしたら、中途半端に投げているでしょ。だからね、なんか中途半端にやめづらいよねというのが続いている感じです(笑)。だから、もう仮にね、本当に優勝して、そこで燃え尽きていたら終わると思うし。もう本当にそればっかりは、何がゴールなのか自分でも分からなくて。(西武の)栗山さんもね、今年、来年で(引退)という発表をしたでしょ。ああいうふうな決断が自分にはできないから、すごいなと思うし。自分の場合はもうほんとに『あっ…』と、ぷつんとたぶん切れると思う。たぶんこれが切れない限りはやれるとは思いますけど、何で切れるかは分からないのが今の現状で。でも、ただ、優勝だけはもう一回したいというのが。ただね、あと10年先とか言われても困るしね。だから、いち早く優勝して気持ち良く、というのが理想ではあるかな」

―1年通して投げるための秘策は
「秘策…あのね、気付いたことが一つ。練習しすぎかもしれん。年を取っているのに。だから、ちょっとだけ本数を減らします。ランニングの本数を。体に合わせて回復をちゃんとさせる。そっちでいこうかなと。今、一番分かりやすい変え方かな。トレーニングの微妙な変更はもちろんいっぱいありますけど、20代前半と40歳と同じ練習をしていたら無理だね。最近、気付いた」
―練習しすぎで疲れていたのか
「やっぱり回復していないもん。そこかなと最近、気付いた。遅いかな?(笑) よく言うでしょ、動かなくなったら余計に劣化すると。それが怖くてやり続けてきたけど、一歩ちょっと調整してみようかなと。ここ数年、同じような感じだったので。量をちょっと落として、質の部分のバラエティを増やそうかな、という方向のトレーニングをしようかなと今、トレーナーと話してメニューをつくってやり始めた感じですね」
―減らすのはほんの少しか
「どれがちょっとなのか、俺には分からないけど。でも、変わったというところかな」
―やり過ぎ注意か
「そう、やり過ぎ注意。腹八分、なんでも。これ」
―自主トレのメンバーは
「1人、クビになったし、リハビリ過程のやつがおるので。堀は今年も一緒に頼むということを言われたので、あれですけど。別に強制じゃないので、うちは。勝手に来ていたやつらばかりだから。逆に、僕は1人でやりたいタイプなので、昔から。人数が減って助かったな、というところは正直な気持ちとしてある。まあ、分からないです」
―後輩が走る量はどうなるか
「基本的にランニングは、言うても量は確保しているから。普通にそれだけやっていれば十分でしょと。あとは堀にしても、年齢も上がって、経験もだいぶしているわけやから、自分との自主トレまでの練習期間で、どれだけ自主的に考えてできるか、というところが大事であって。自分とトレーニングするのはもう1月だから、極端に言えば体自体はできあがっていないと意味がないと思う。そのへんは、来た時の練習の姿を見て判断しようと思っています」
