【一問一答】宮西尚生が〝吉村さん〟に「引き際の葛藤」を吐露 返ってきた言葉は…
来季の残留を表明し、19年目のシーズンに臨む宮西
レジェンド左腕がプロ19年目シーズンへ
日本ハムの宮西尚生投手(40)が7日、エスコンフィールドで取材に応じ、保有している海外FA(フリーエージェント)権を行使せず、来季も残留すると明言した。一問一答は以下の通り。
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―ここに来た理由は
「俺もよく分からんねん、今なんでここに(記者に)囲まれに来たのか(笑)。とりあえずFAはせず、ファイターズで来季も(プレーを)するということが、きょう確実に決まったというぐらいです。ハンコとか、そういう細かいところはまた後日。その時にしっかり会見は、契約会見みたいな感じではしますけど、とりあえずFAを使わんということを言えということなので(笑)。謎に囲まれているというところでございます」
―少し考えたりは
「考える!? 考えません! 考えていませんけど。FAはね、最初に取った時に、もう言っていると思うので。それが全てなので。ただ、年齢的なところもある部分、FAというよりも契約するかせえへんかという、そこの話をしっかりときょう、吉村さん(チーム統括本部長)と話をして、すごくありがたい、うれしい言葉をかけてもらったので、迷いもなく、思い切っていけるのかなという感じですよね」
2014年、国内FA権を取得し、残留を表明した宮西
―どんな言葉があったか
「やっぱりこの年なんでね、今まで1軍でずっと投げ続けてきた分、1年間、戦えていないというところで、また年齢というところで、でも契約をずっとしていただいていて、そこの葛藤、自分自身の引き際との葛藤ですよね。そういうところを、思いの丈をしっかりと話をしたら、球団としたら来季も戦力として、毎年見ていて、今年もやっぱり戦力として、契約している部分がもう全てだからという言葉と、あとはもう、前半の活躍は球団としてはちゃんとしっかり評価しているし、来季もやってくれるという思いがあるからこそ契約しているから、変なことは考えなくていいという。そこでやっぱり気持ち的な部分でスッキリしたというのもありますし、いい話はできたなというのはありますね」
―今季、最後はコーチのような役割もした
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「あれはね、ボス(新庄監督)の、あのタイミングで抹消になって、まだ日本シリーズに行ける可能性もあったわけやし、日本一を目指して、宙ぶらりんと言ったら言い方はおかしいですけど、チーム一丸となって戦おうという中で、自分にいろんな経験をさせてあげるというようなものだと、自分は感じていたので。それも本当にいい勉強になりましたし、投手コーチとか監督とか、コーチ陣の大変さもすごく身近で感じられたし、若い子らにも、間に入ってあげられて、いい感じで、こういうことを考えているんじゃないかな?というところのアドバイスもできるんじゃないかなと。そういう勉強になったので、僕的には選手としては最後、違う立場で過ごしましたけど、でもそれは来季に生きてくると思っていますし、生かさないといけないと思いますし、いい勉強になりましたね」
CSファイナルの試合前に新庄監督(右)と真剣な表情で言葉を交わす宮西
―来季もそういう役割は
「そういう役割はほぼないですし、選手一本でしっかり契約はしていただいているし、まずはしっかりと来季、結果を残すというところがもう全てだと思っています」
―引き際の葛藤があると話をしていた。チームにいかに貢献できるかが判断基準か
「プロ野球選手である以上、やっぱり結果を残し続けないといけないし、特に1軍にいる選手はそうでないと生きていけないですし。その中で、この年になってくると、抹消されるタイミングは、やっぱり気持ち的になえるんすよね。そういう時に自分の弱さじゃないけど、引き際なのかなって、ここ数年ずっと、抹消されるたびに感じていたことだったので、それを思い切って吉村さんに話して、いつも話せる環境をつくってくれるので。だからその話を初めてして、球団はそういう思いは全くないと。来季もやってくれるという思いがあるから、戦力としてしっかり契約しているから、というところを大前提に話をしてくれたので。この立場で1人だけ40(歳)超えて、ファームにおったら結構、心折れるよ(笑)。上(1軍)でね、まだ活躍している間は何も思わないですけど、そこでチームの足を引っ張って抹消になったりすると、やっぱり思うところは、ほかの選手よりも倍、感じてしまいますし、そういうつらさというところはあると話をしていて。でも、そういうことは全く気にする必要はないということで、来季もしっかり頼むというところはあったので。あとはね、この年になってくると、難しいんですよね。最後、さっき言ったようにコーチ業みたいな感じで過ごしていましたけど、やっぱりCSとかも、若いやつら、後輩らがあんないい戦いをしていたら、やっぱり投げたいと思ったし、悔しいと思ったから。やっぱりまだ俺、やる気あるわって再認識させられたし、そういう意味では前に、もうあの時点で進んでいたなと、今振り返ると、すごい思います」
9月23日の楽天戦で900試合登板を達成した宮西(右端)
―理想は何歳までやりたいか
「さっき吉村さんに死ぬまでって言われた(笑)。理想はね。でも、そこは難しいですよね、人それぞれ。野球は、プロ野球が全てじゃないですし、自分の同級生も、昔こっち(NPB)におった村田(透)も、同じ年で異国の地で頑張っていますし、それも一つのプレースタイルだと思いますし。何が正解かというのはないし、ここまで来たら体が、肘がぶっ壊れるまでかな。そこまでいけたら最高なんじゃないかなとは。結果が出る出ないは二の次なので。投げられる体があるかというところが全てだと思いますし、いくつまでと言われてもね、いらんと言われたら、もう投げられないわけやし。ただ、しっかり散りたいよね。っていうところ(笑)」
―しっかり散るとは
「自分の満足。満足はほんまに最終的に、どんな選手でも引退したら満足して終わっている人っているのかなと最近よう感じるんですけど。どっかしらまだできるとか、自分との折り合いをつけて引退されてるやろうし。そこのタイミングは人それぞれであって、自分の場合は散りたいなと、しっかりと。良い数字のまんま、良いイメージのまんま終わるというのもかっこいいですし、泥臭く最後までもがき続けて、今までの栄光をつぶしてでも、もがく姿勢というのもかっこいいと思うし、模索中でございます」

―40歳になる時に、楽しんでという話をしていたが、41歳はどんな年にしたいか
「ねえ、どうしましょうね。41になる年? うーん。でも、楽しむというイメージ、意識は、すごい大事やなとここ数年で感じたし、だけど、やっぱり勝負の世界なので、打たれたら悔しいし。そのために、楽しむために練習するわけなので、一概に楽しいだけというよりも、楽しむために準備をしないといけないと思うので、ここからオープン戦、だから3月くらいまでは楽しくないと思うけど、4月から楽しめるように3月までつらい思いをしようかなと思います。以上、残留会見でした」