荒野拓馬&宮澤裕樹 〝不屈の男〟に有終の美を「同じピッチに立って…」
MF深井(中央)と宮の沢での最後の練習に臨んだMF荒野(左)とMF宮澤=撮影・桜田史宏
■11月27日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は27日、札幌市内で最終節・愛媛戦(29日、プレド)へ向けて全体トレーニングを行った。練習は冒頭15分のみ公開された。同戦は札幌一筋で13年間を過ごし、今季限りでの引退を表明しているMF深井一希(30)のラストマッチになる。共に長くチームを支えたMF荒野拓馬(32)とMF宮澤裕樹(36)は、それぞれの思いを胸に〝ファミリー〟との最後の戦いに備えた。
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愛媛戦に向けて調整するMF深井
アカデミー時代からボランチでコンビを組む荒野は、前節の今治戦を前に1つの誓いを立てていた。「ノーカードで(札幌へ)帰ってくる」。累積警告による出場停止にリーチが掛かっていた背番号27は、有言実行のフェアプレーで無事、シーズン最終戦に出場する権利を得た。
有終の美を飾るために、持ち味の積極性を抑えて我慢のプレーに徹した。本領発揮できなかった今治戦のモヤモヤは、次戦の勝利で晴らすつもりだ。
「すごくやりづらかったので、次は暴れたいと思います。今回やってみて分かったのは、カードを抑えながらプレーするのは僕に合わないということ。ビビらずガツガツ、チームを鼓舞できるようなプレーがしたい。一希もいろいろなものを背負ってやってくれる。同じピッチに立ってプレーする時間を楽しみたいし、しっかり勝ち試合にします」
宮澤も急ピッチ調整で同時出場熱望
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札幌のバンディエラ・宮澤は痛みを押して、去りゆく盟友との競演を目指している。左太もも裏痛で今治戦を欠場したが、深井のラストゲームを目指して急ピッチで状態を上げてきた。
良い時期も苦しい時間も共有してきた宮澤は、「一緒のピッチに立ちたい思いが1番。(ケガを)繰り返している部位だけど、そこへ向けてやる価値があるので、かなりハイペースで来ました。最高の雰囲気をサポーターの皆さんがつくってくれると思いますから、まずは楽しんでもらいたい。膝の痛みを忘れてプレーしてほしいですね」と、背番号8へのエールを交えて同時出場を熱望した。
MF深井(手前左)と並んでアップするMF荒野(同中央)とMF宮澤(同右)
チームの歴史を紡いできた戦友との別れは、刻一刻と近づいている。「チームメートというよりも、家族に近い存在です。それは、ここで長くやっている拓馬もそう。良いときも悪いときも一緒にこのチームのためにやってきた。寂しいです」。数々の思い出を胸に、ピッチ上での最後の時間をかみしめるつもりだ。
ファミリーと呼べる2人を、深井は「お兄ちゃん的な存在」と表現する。「裕樹くんはあまり喋るタイプじゃないけど、すごく周りを気に掛けて、大事なときにビシッと言える。拓馬くんはムードメーカーで、いるかいないかでチームの雰囲気が変わる。誰に対しても変わりなく接して、嫌われてでも厳しいことを言ってくれる。2人とも尊敬しています」と信頼を寄せる。
変わることない3人の絆が〝不屈の男〟のラストゲームを彩ってくれる。
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