深井一希ら道産子5選手がトークショー 不屈の男は最終戦に照準「スタートから行きたい」
トークショーに参加したMF深井(左)。サポーターへの感謝とラスト2試合への意気込みを語った=撮影・宮西雄太郎
トークやミニゲームで盛り上げた
北海道コンサドーレ札幌は15日、札幌市内で「2025クラコン スペシャルトークショー」を開催した。今季限りでの引退を表明しているMF深井一希(30)ら道産子5選手が登場し、エピソードを交えた軽妙なトークやミニゲームで会場を盛り上げた。
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選手として、ファンと間近で交流する最後の機会。長くチームを支えた深井は、つかの間の触れ合いを満喫し「本当にたくさんの人が来てくれましたし、温かいクラブだなと思いました」としみじみ語った。

両膝合わせて5度の手術を経験し、そのたびに立ち上がってきた。幾度も逆境を乗り越える姿から、サポーターは敬意を込めて深井を〝不屈の男〟と呼ぶ。この日のトークショー内では、そんな愛称をよく表す秘話がチームメートから飛び出した。
2021年3月の練習中。右手人差し指にボールが直撃すると、曲がった指から骨が飛び出していたという。心配する周囲の選手たちが続々と集まる中で、本人だけは平然とした表情を浮かべていた。
曲がった指から骨…「痛いというよりも」
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当時の出来事を振り返り、深井は「みんなが見に来たので恥ずかしいなって感じでした。足はいっぱいケガしたけど手をケガしたのは初めてだったから、痛いというよりもビックリ。あれぐらいは誰でも我慢できますよ」と苦笑いだ。
ドクターストップ何の 患部ぐるぐる巻き強行出場
2021年3月27日ルヴァン杯・鳥栖戦、患部をぐるぐる巻きで強行出場するMF深井
数日後、周囲はさらに度肝を抜かれた。ドクターストップが掛かった状況で、アウェー開催のルヴァン杯・鳥栖戦に強行出場。「(ケガをした)次の日から遠征で、点を取ったんですよ。病院の先生はやめておこうって言いましたけど、手だったらいけるでしょって。(患部を)ぐるぐる巻きにして出ましたね」と、驚異のタフネスで白星奪取に貢献した。
引退後に指導者へ転身する深井は、その魂を次世代に引き継ぐつもりだ。「自分のことを強いとは思っていませんが、そういう選手を育てていきたいと思う。周りから応援されるように人としても立派な選手を」。自らも所属した札幌のアカデミーで、第2の不屈の男を育て上げる。
札幌一筋で過ごした13年間のプロサッカー生活は、もうすぐ終わる。約6カ月ぶりに出場した2日の千葉戦以降、膝の具合は決して良くないが、ホームでの最終戦に照準を定めている。

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「最終戦のことばかり考えているし、そこに合わせていきたい。泣いても笑っても残りは2週間。悔いなくやりきります。もしも(希望を)聞かれたら、もちろん先発で。スタートから行きたいと伝えたいです」