今季限りで現役引退の深井一希「あと1カ月、後悔しないように」 6カ月ぶりリーグ戦出場へ意欲
        
  
       千葉戦のメンバー入りを狙う深井(右)。「後悔だけはしないように」と残り約1カ月になった現役生活を全うすることを誓った=撮影・宮西雄太郎
    千葉戦のメンバー入りを狙う深井(右)。「後悔だけはしないように」と残り約1カ月になった現役生活を全うすることを誓った=撮影・宮西雄太郎  
    
      ■10月31日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
 北海道コンサドーレ札幌は31日、札幌市内で第35節・千葉戦(11月2日、フクアリ)へ向けて全体トレーニングを行った。今季限りでの現役引退を表明しているMF深井一希(30)は、週内に行われたゲーム形式の練習でコンディションの良さをアピール。4月25日・大宮戦以来の公式戦出場へ着々と準備を進めている。
心境は「いつもと変わらない感じです」
 プロサッカー人生は残り約1カ月。札幌一筋で13年間を過ごした不屈の男は「(心境は)いつもと変わらない感じです。あと1カ月、後悔しないようにやりきろうと思っている」と、穏やかな口調で言葉を並べた。
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 合わせて5度の手術を経験した両膝は「我慢できる範囲内で(プレー)できています。ずっと練習できているのでコンディションも悪くない」と試合出場が可能な状態にある。前節の水戸戦で宮澤が負傷退場した影響もあり、同じボランチを担う深井への期待は高まる一方だ。

 痛みと折り合いを付けながら、ゲームに絡む以上はプロフェッショナルの仕事を果たしてみせる。クラブ思いの背番号8は「かなり崖っぷちの状況なので、しっかり貢献できるように自分のできることをやるだけ」と静かに心を燃やす。
ピッチの外から見て感じたチームに足りないもの
     
    
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         4月を最後にリーグ戦出場から遠ざかるが、ピッチの外からじっくりとチームに足りないものを見極めてきた。自らが加わることで好影響をもたらせると信じている。「プレーの落ち着きも、精神的な落ち着きも両方。若い選手も多いので状況によって焦ってしまったり、自分が自分が、ってプレーもある。チームで戦うという意思統一をしてやっていくのが良いかな。そのために、みんなのつなぎ役として上手くやれたらいい」。精神的支柱がバランスを取り、勝ち星を引き寄せる。
 クレバーなプレースタイルは、攻撃的サッカーを掲げる札幌のフットボールに安定感を与えてくれる。「ミスを恐れるなとよく言われるけど、僕はミスをするのが嫌い。チームに1人はそういう堅実な選手がいてもいい。そういうプレーができたらいいかな」。思考を研ぎ澄まし、昇格争いの真っ只中にある千葉に待ったを掛ける。

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 別れの時は、刻々と迫る。残り4試合は背中を押し、温かな声を掛けてくれたファンたちと最後の時を共有できる貴重な時間だ。「これだけ(痛みを)我慢してやってきたので正直、早く1カ月が経ってほしいと割り切っているところもある。ただ、そういう(応援してくれる)人たちのために最後までやりきりたい」。感謝の思いを胸に、真剣勝負の舞台を目指す。