深井一希の引退発表で高嶺朋樹主将が決意新た「J1昇格を喜び合って引退してもらいたい」
試合終了後、互いを労うMF宮澤(左)MF高嶺=撮影・小田岳史
■J2第31節 札幌0-3仙台(9月27日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
同じ道産子MFへ惜別の思い
北海道コンサドーレ札幌は前節まで6位クラブと勝ち点5差でPO圏内を射程に捉えていたが、仙台との勝負所の一戦を落とし、一歩後退した。前日26日にアカデミーから札幌一筋だったMF深井一希(30)が今季限りでの引退を表明したことを受け、試合後にはMF宮澤裕樹(36)、高嶺朋樹(27)が同じ道産子MFへの惜別の思いを明かした。
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大事なゲームで結果を出すために…
運動量豊富に強固な守備網を築く仙台の牙城を、最後まで突き崩すことができなかった。スタメンで出場した高嶺主将は「相手に上回られた。前半からアグレッシブに(プレスに)来るところだったり、そこを自分たちがはがせず、相手優位に試合が進んでいってしまった。こういう大事なゲームで結果を出すために(古巣に)帰ってきたので、すごく自分に責任を感じてます」と悔しさを押し殺し、声を絞り出した。
前半、パスの出しどころを探るMF高嶺主将
反省を受け止めながらも切り替えて
0-2の後半15分、流れを変えるために3枚替えの1枚として投入された宮澤だったが、相手の圧力の前に屈した。「きょうは上でブーイングもありましたし、自分たちが勝っていかないといけない状況でのきょうの結果ですから、それは受け止めながら切り替えて、自分たちはしっかりトレーニングして勝ち点3を積み上げていくしか道はない。そのためにベストを尽くしたい」。可能性がある限り、決して後ろを向かず、ファイティングポーズをとり続ける。
育成時代から「すごくお世話に…」 宮澤「次の夢に向かっていく…」
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札幌にとって、どうしても来季J1に昇格しなければいけない理由がまた一つできた。26日に深井が引退を表明した。高嶺は深井より3学年後輩で、小学4年生で札幌のアカデミーに入ったころ、深井は札幌Uー15でプレー。深井は札幌U-18からトップチームへ昇格したが、高嶺はU-18から筑波大に進み、19年の特別指定となってから再び同じユニホームに袖を通すことになった。
深井の引退表明に「選手個人の判断なんで、もちろん寂しい気持ちもありますし、入団当初からアカデミーの頃からすごくお世話になった先輩だったので、自分自身、悲しい気持ちはありますけど、自分たちは深井さんが気持ち良く引退できるように、J1昇格をつかんで、一緒に喜び合って引退してもらいたい」。シーズンが終わった時、恩人を笑顔で次のステージへ送り出すためにも、残り7試合は死に物狂いで戦う構えだ。
前半、ロングボールをクリアするMF高嶺主将
深井と共に札幌一筋の宮澤は、深井がトップチームに昇格した13年から10年以上一緒にプレー。何度もボランチでタッグを組み、栄光も挫折も思いを共有してきた。「『僕より先に辞めんな』とは言いましたけども、彼の足の状態だったり、次の夢に向かっていく気持ちは話してる中で感じた。残りのシーズン、彼もピッチに立つって言ってますから。僕も彼と一緒にピッチに立ちたいっていう気持ちはあります。きょうのようなチャンスで自分の存在価値を示していかないと、一緒にピッチに立つ目標は達成できない。自分も頑張りますし、一希もトレーニングから頑張っていくと思います。なんとかお互いピッチにしっかり立って、チームの勝利に貢献できるようにやりたい」。不屈の男の花道を、チームの総力を上げて演出する。
後半、パスを出すMF宮澤
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