《仙台戦後》J1昇格という目標に(深井)一希のためにというのがプラスされた《柴田Talk》

【<月刊コンサドーレ10月号>柴田慎吾監督インタビュー「勝つために攻撃する」《赤黒の肖像》】
■J2第31節 札幌0-3仙台(9月27日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
試合後、取材に応じた柴田慎吾監督(40)の一問一答は以下の通り。
―試合を振り返って
「厳しいゲームだったな、の一言です」
―仙台の堅い守りを崩せなかった。攻撃をスムーズに展開できなかった要因は
「1つだけではないのですが、仕組みのところをもう少ししっかりしないといけないと感じました。あとは技術的なエラーで1個遅れてしまい、タイミングを逃してしまった。そうなると相手の守備のリカバリーが速いのでブロックを再構築されてしまう。シンプルに戻して、また11人を相手にしなといけない状況になる。その繰り返しが多いゲームになった」
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―流れを変えようと後半に3選手を同時投入した
「0-2だったので点を取りにいかないといけない状況。マリオを前線の起点にして(白井)陽斗をシャドーに残して、その3枚でなんとかアタックしたかった。そこ(前線)にボールを送り届けることが重要で、宮澤選手の落ち着き、戦術理解度、ゲームを読む力(を加えた)。あとは久々の出場になった中村桐耶選手が左サイドから。彼の良さはボールを前に運ぶ推進力。桐耶や(宮沢)裕樹の武器を生かしながら前に運んで、なんとか相手のDFラインにアタックする状況をつくりたかった」
―中村が約4カ月ぶりのリーグ戦出場
「ゲーム自体が難しかったので桐耶だけの評価は難しいけど、個人のことを言えば思いきりプレーできる状況だったと思う。彼にとっては良い時間になった。今後、もっと出場時間を伸ばす中で攻守共にチームに貢献できるようにやってほしい。まだコンディションも100%ではない部分があると思う。特に守備の対応のところ、一瞬にそういうものが出やすい。日々のトレーニングで(状態を)上げてくれたら、という思いです。復帰戦としては及第点。チームが勝てていないので何とも言えないけど、久々の出場は彼にとってもチームにとってもプラスになる」
【中村桐耶が4カ月ぶりリーグ戦復帰 引退の深井へ「残りの時間を大切にして最後まで一緒に…」】
―ビルドアップでパスを出すのに苦労した
「仙台さんの方がオーガナイズされた守備でした。立ち位置や1個のパスでは前進できない状況だった。ボールを動かせば相手が動くので、できるスペースが変わってくると常日頃から選手に言っている。それをピッチの中で、どれだけ選手が判断できたのか。我々の狙いに対しても、仙台はうまく消してきた印象。前半も含めて意図した前進から突破、崩しにつなげられるシーンが少なかった。それが難しい結果になった」
【引退発表の深井一希「自分の中で最大限やりきった。最高のサッカー人生」】
―前日26日に深井が引退発表。残り7試合を含め良い形で送り出したい
「一言では表せないほどの壮絶なサッカー人生。何度も何度も大きなケガを繰り返して、心が折れそうなときは何回もあったと思う、それでもコンサドーレの勝利のため、応援してくださる全てのみなさんの笑顔のために、何度も歯を食いしばって立ち上がってきた。『(深井)一希をJ1に連れて行くことが俺たちの大きな目標の1つになった』ときょうのミーティング前にも選手たちへ伝えました。一希も残り7試合でチームの勝利に貢献するため、ベストを尽くしてくれると思う。J1昇格という目標に、一希のためにというのがプラスされた。その思いを持ってピッチに入ってくれたと思います」
―J1昇格を目指す上で痛い敗戦。次節へ向けて
「まずはしっかり分析すること。心身共にリカバリーすること。週明けのトレーニングからみんなでベストを尽くすこと。その繰り返しかなと思っています」
【現役引退を発表した不屈の男・深井一希 13年間支え続けた妻からの愛ある言葉に心ととのう】