中村桐耶が4カ月ぶりリーグ戦復帰 引退の深井へ「残りの時間を大切にして最後まで一緒に…」
後半、パスに合わせて前方へ駆け上がるDF中村(右)=撮影・小田岳史
■J2第31節 札幌0-3仙台(9月27日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌のDF中村桐耶(25)が27日、ホームで行われた仙台戦に途中出場し、約4カ月ぶりのリーグ戦出場を果たした。左膝後十字靭帯部分断裂の大ケガを乗り越えた背番号4の復帰に、観衆から大きな拍手が送られた。カムバックした〝むかわの星〟がシーズン最終盤の戦いをさらに熱くする。
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敗戦の中に小さな光が差し込んだ。0-2の後半15分。劣勢を跳ね返したい柴田監督は、中村、マリオ、宮澤の同時投入を決断した。推進力が持ち味の中村は「得点が欲しい状況だったので自分が後ろから前線に出て、枚数を掛けて攻勢に出ることを大事にしようと思っていた」。勝負手の意図を感じ取り、前掛かりな姿勢でゴールを目指した。
後半、戦列復帰したDF中村(中央奥)が敵陣ゴール前で競り合う
得点にはつながらなかったが、アグレッシブなプレーで左サイドを活性化させた。「僕の特長は前に奪いに行くことと、その勢いで上がっていくこと」と、疲労の色が濃かったパクミンギュを何度も追い越し、最終ラインの裏を狙い続けた。同35分には果敢なスライディングでCKを獲得。1プレーに気迫を込め、最後まで勝ち点を諦めなかった。
尊敬する先輩の背中
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長期離脱を経験しメンタルは一回りたくましくなった。リスペクトする先輩の姿を見れば、苦しいリハビリも平気で乗り越えられた。
「3カ月の離脱期間って長いなと思っていたけど(深井)一希くんと喋っていたら、それでも3カ月か…と思えました。前十字靱帯なら8~10カ月という話をしてくれて、一希くんはそのリハビリ期間を経て5回も復帰している。帰ってきたときも(ケガ前と)遜色ないプレーをするので、やっぱりこの人はすごいと感じる。本当に尊敬しています」
後半、逆サイドへロングパスを出すDF中村(右)
クラブ愛を貫いた深井は、今季限りで13年間のプロ生活に別れを告げる。寂しさや責任感、中村は多くの感情を胸にたたんで目標達成へ向かう。
「引退してしまうのは悲しいし、もっと一緒にサッカーがしたかった。だけど1番悔しいのは一希くんなので、僕は何かを言うよりも残りの時間を大切にして最後まで一緒に楽しくサッカーがしたい。J1昇格に向かう中で、より大きなものを1つ背負った。一希くんのためにも結果を残して笑顔で送り出します」
不屈の男の魂を、受け継ぐ者がいる。期待のレフティーは赤黒の誇りを胸に、シーズン最終盤を戦い抜く。
試合終了後、札幌サポーターにあいさつするDF中村(左)
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