高嶺朋樹 不屈の男と競演熱望「一緒にピッチに立ってサッカーができれば十分幸せ」
MF深井(手前右)の引退試合へ向けて気持ちを高めるMF高嶺(左)。数々の思い出を胸にピッチ上で競演するつもりだ=撮影・宮西雄太郎
■11月26日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は26日、札幌市内でシーズン最終節の愛媛戦(29日、プレド)へ向けて全体トレーニングを行った。MF高嶺朋樹(27)は、MF深井一希(30)のラストマッチとなる一戦へ「寂しいけど、いずれは選手としての最後が来る。勝利して気持ちよく送り出せるよう頑張りたい」と意気込みを語った。
「勝利して気持ちよく送り出せるよう」
2025年最後の試合は、特別な時間になる。ピッチ内外で多くの出来事を共有した仲間の引退試合。高嶺はフィールドでの競演を強く望んでいる。ボランチでコンビを組むことも想定されるが「そんな贅沢なことは言えない。一緒にピッチに立ってサッカーができれば十分幸せです」と、出場を熱望した。

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忘れられないシーンがある。2021年11月6日の清水戦だ。前半を1対1で折り返した札幌は、後半4分にCKから深井が技ありのヘディング弾を決め、勝ち越しに成功した。
ブロックしたら点を取ってくれた
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当時の記憶を振り返る高嶺は「一希くんのマークをブロックしてほしいと言われて、ブロックしたら点を取ってくれた。一緒に試合に出たエスパルス戦の、一希くんのヘディングゴールを覚えています」と舞台裏のやりとりを明かし、懐かしんだ。
2021年11月6日の清水戦、後半4分にCKから深井(右)がヘディングシュートを決める
理想のリーダーそのもの
人格者として知られる深井は、理想のリーダーそのものだった。今季からチームの主将を務める男も、その立ち居振る舞いを手本にしてきた。
「常に冷静で周りを見ている。人によって態度を変えることもない。だから、いろいろな外国人選手とも仲が良かったんだと思う。サッカー面でも冷静さを常に持ってプレーしている。そこは見習うべきと思ったし、悩んでいるときもすごく相談に乗ってもらった。自分の助けになってくれた選手です」
リスペクトの念を抱く先輩の背中から、多くを学んできた。日常の練習、キャンプ期間、一緒に過ごした食事の時間。挙げれば切りがないほどの記憶を思い返した高嶺は、人間・深井一希をこう表現した。
一番慕っている先輩です
「サッカーでも交流があったけど、それ以外の時間も長く一緒にいさせてもらった。一番慕っている先輩です」
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重責を担って臨んだ長丁場のシーズンも、いよいよ終わりを迎える。数々のプレッシャーを受けながらも、ボランチとしては異例の2桁得点を記録。別格のパフォーマンスで札幌をけん引した男は最終戦も、不屈の男の花道を彩るために全力を尽くす構えだ。
