前日１０日に行われた侍ジャパン対広島の練習試合では、１４－１１という乱打戦の末に侍ジャパンが勝利を収めた。現地で取材していたわけではないので、ニュース等で伝え聞いた話にはなってしまうが、今回のＷＢＣから導入される「ピッチクロック」（投球間の時間制限）や「ピッチコム」（投球サインの伝達機器）といった、普段ＮＰＢでは用いられていないルールなどに苦慮する場面が複数あったようだ。

　そんなニュースを見て、秋季練習期間中に北山から聞いた話を思い出した。自身にとっても初めての使用となるピッチコムへの対応法を尋ねると、「楽しみです。初めての経験ばかりなので、そこは新しい刺激があっていいかなと。すごく楽しみな要素だなと思っています」。チームのシーズン終了直後から入念に感触を確かめていたＷＢＣ仕様ボールを含め、新たな経験ができることを、心から楽しみにしている姿が印象的に映っていた。

　きのうの試合では北山の出番はなく、１５日、１６日に行われる韓国との強化試合での登板が予想される。新たなチャレンジに対応すべく取り組んだ成果が、どのように発揮されるか。研究熱心な右腕が、ＷＢＣボールとピッチコムを携えてマウンドに立つ瞬間を心待ちにしたい。