北山亘基 視野を広げてくれる金子コーチとの会話 「アドバイスがすごく染みます」その内容とは
秋季練習で金子コーチ(左)からアドバイスを受ける北山=撮影・桜田史宏
侍強化試合も見据えてエスコンで調整
日本ハムの北山亘基投手(26)が、29日までエスコンフィールド北海道で行われた秋季練習に参加。来月に強化試合を行う侍ジャパンに選出されており、マウンドでピッチング練習をするなど精力的に汗を流した。
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プロ入り前から憧れの存在
そんな北山が「一番、信頼しています」と崇拝するのが、金子千尋2軍投手コーチ(41)だ。今回、エスコンでの秋季練習に参加しており「しゃべることが尽きないですよ。データの話、コンディションの話も変化球の話も、とにかくすごいっす。グラブの配色の話もしました」。同コーチと話をしている時の右腕は、心の底から幸せそうだ。
先発完投型を目指す北山にとって、オリックス時代の14年に沢村賞を受賞した金子コーチは憧れの存在。学生時代には、京セラドームへ投球を見に行ったこともあった。「実際に会って想像を超えてきました。思っていたよりもっと魅力ある人。本当すごいです」。現役が重なったのは1年だったが、プロ入り後は、転機となるタイミングで適切な助言をもらってきた。

目からウロコのアドバイスばかり
この秋季練習期間中には、データを用いた投球内容の振り返りや、今季の取り組みについて報告することもできた。
「僕はこういう考えで、今シーズンこうやってきました、と話をして。アドバイスをくださいというより、僕はこういう考えでこういう取り組みをして、こういう成果がありましたって話をしたら、何かそれに付随したプラスのエッセンスというかヒント、こういうふうな捉え方もあるよ、とポロっと言ってくれる。日頃の取り組みありきのワンポイントアドバイスがすごく染みますし、的確に金子さんも内容を選んで言ってくれている。すごい視野が広がります」
〝師匠〟との対話で自らに課す決め事
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シーズン中、じっくり会話できる機会はそう多くなかった。北山には話を聞きに行く時に、自分の中で決めているルールのようなものがある。
「自分でちゃんと取り組んで落とし込んで得たものを武器にじゃないですけど、取り組んで得たものを持って話す相手だと思う。普通はこれってどうしたらいいんですか? と丸投げで聞くんですけど、それだと金子さんの本当のすごさは分からない。僕はこういう取り組みして、こういう勉強してこうやってみてこうだったからこう思うんですけど、どう思いますか?とか、こうですよね? と確認したら、それもそうだし、こういうのもあるよって、自分の取り組みがあった上で聞くのが一番すごく身になる答えがもらえる。金子さんがそうやってきたからだと思います」

強じんな肉体&取り組む姿勢を高評価
金子コーチも、先発ローテーションの柱に成長した右腕のことを頼もしく見ている。
「僕は基本的に話を聞いている。何をこういうふうにしたらいいじゃないとか、言う必要はもうないので。体のことも北山くんの方が自分のことをしっかり知っているし、特にアドバイスというアドバイスはしていないです。自分がやっていることを人に話して、再確認じゃないですけど、それができるのであれば、全然しゃべります」と歓迎する。「シーズンが終わっても、ああやってしっかり投げられるのは体が強い証拠。自分の体のメンテナンスをしっかりできている証拠だと思います」と太鼓判を押す。
常に改良を重ねる姿にあらためて感服
北山は同コーチについて、こうも証言する。「何か聞かれた時に、100%答えられる準備をしているんですよ。それこそ、去年、話した時よりもアップデートされていますし、常に金子さん自身も勉強して新しい知識だったり、より選手のためになるんじゃないかみたいなことをたくさん試行錯誤されているのだろうと、話すだけで感じます」
言葉を交わすたび、新たな発見がある。そしてそのたび、すごさを実感するという。金子コーチとの会話には、いつだって成長へのヒントがたくさん詰まっている。
