宮大樹が抱く古巣への特別な思い「心を鬼にして水戸の足を引っ張りたい」
古巣・水戸戦へ闘志を燃やすDF宮(左)=撮影・宮西雄太郎
■10月25日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は25日、札幌市内で翌日に控える第34節・水戸戦(午後1時開始、プレド)へ向けて非公開トレーニングを行った。前節の富山戦で約2カ月ぶりのリーグ戦出場を果たしたDF宮大樹(29)は、古巣との対決へ向けて気持ちを高める。シーズンは残り5試合。PO圏進出のミラクルを信じ、上位チーム撃破を目指す。
【コンサドーレ 関連ニュース一覧】
カムバックから1週間。8月に痛めた右ハムストリングスの状態は良好で、大きな反動もなく順調にトレーニングを消化した。「20分ぐらいの出場だったので体は大丈夫。試合に絡む、出場できる状態なので充実感があります」と、フットボールができる喜びをかみしめた。
水戸戦に向けて調整するDF宮=撮影・大石祐希
正確なフィードに空中戦の強さを武器とする。優れた統率力を持つ男の復帰が、札幌の攻守を活性化させる。現在リーグ2位に付ける強敵を相手に、背番号55の存在は何よりも心強い。
「相手の水戸は今、昇格争いの主役。僕たちは厳しい状況だけど可能性はある。その中で対戦できるうれしい気持ちがあります。絶対に負けたくないし、心を鬼にして水戸の足を引っ張りたい」
CBとしての土台を築いた水戸時代 コンビ組んだ細川氏から学んだこと
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
宮にとって、水戸は特別なクラブだ。プロ2年目に約半年間プレーした古巣では「長谷部監督のもとで守備のベース、CBとして必要なことを学びました」と、サッカー選手としての土台を築き上げた。

当時、CBでコンビを組んだ細川淳矢氏からは、DFに必要不可欠な闘争心とガッツを植え付けられた。「絶対にやらせないぞっていう気持ちがにじみ出ていて、キャプテン翼の石崎くんのように顔面でシュートブロックする感じや、ゴール前の最後の局面で体を張る守備がすごかったです。当時はPO争いをしていたこともあって、すごく充実した半年間でした」と、記憶を振り返る。
水戸で12試合に出場した宮はその後、鳥栖や福岡などJ1舞台で活躍。サッカー人生が好転するきっかけを与えてくれたクラブと街には、今でも強い感謝の念を抱いている。「当時のメンバーも、水戸を1回経由して試合に出場して自分の価値を高めていた。今の水戸もそうですけど、当時も若手にとって素晴らしいクラブだと思っていました。人も優しくて、ひいきにしてくださる飲食店もあった。とても良い街という印象です」と魅力を並べた。

結果次第ではJ1昇格の道が絶たれる。特別な思いを胸に臨むゲームは重要な一戦だ。「何度も古巣と対戦したことがありますけど、絶対に負けたくない。もう内容は抜きでシンプルに勝つことだけ。勝ち点3を取ることが全てです」。勝利への執念が、奇跡を呼び込む。
【道スポが全部読める! お得な年払いプラン】