杉浦稔大 チームを離れる後輩道産子左腕にエール「自分が納得できるまでやってほしい」
秋季練習に参加した杉浦=撮影・松本奈央
エスコンで秋季練習
日本ハムの杉浦稔大投手(33)が、24日にエスコンフィールド北海道で行われた秋季練習に参加した。先日、今季限りでチームを離れることが発表された道産子左腕への思いを胸に、プロ生活13年目となる来季の復権を目指している。
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「個人的には悔しいシーズンだったな、という印象ですね」。日本ハム移籍後8年目となった今季の振り返りを問うと、そう返ってきた。

24年は40試合登板、防御率1.56も今季は一転…
24年シーズンはセットアッパーとして40試合に登板し、2勝0敗3セーブ15ホールド。被本塁打はわずか1本で、防御率1.56という数字を残し、ブルペン陣の柱の一角として君臨。だが今季は一転、苦しいシーズンとなった。
2軍調整経て8月に1軍昇格したが
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4月16日ロッテ戦、同22日楽天戦と、登板機会2試合連続で計3本塁打を被弾。4カ月にわたる2軍での調整を経て、8月下旬に再び1軍昇格を果たすと、10試合中7試合で無失点リリーフを果たしたものの、残りの3試合は全て本塁打で失点してしまった。「1年を通して、ボール(の力)が落ちたという感じはあまりなかったが、ただ細かいコントロールというか、投げどころとか、そこが今年は精度が良くなかった。後半(1軍に)上がってからも、ボール自体はそんなに悪くない感じだったが、ところどころホームランを打たれる場面があったので、なにか乗り切れないというか。もったいない一発が多かったな、という感じがあります」と回顧した。

テーマは「しっかりフィジカルのベースをつくる」
復権を懸ける来季に向け、この秋は1年間を戦い抜く肉体を再構築するつもりだ。「時期的に1回しっかり体の状態を整えるのと、あとはやはりベースアップ。来年に向けての筋力アップ、ウエートもそうですし、ランニングとか、本当に基本的なところを。この時期は目先の結果にとらわれずに取り組める時期だと思うので、しっかりフィジカルのベースをつくっていくことをテーマにしたいと思っています」。来年34歳を迎えるベテラン右腕が、さらなる進化を目指すべく、秋季練習に挑んでいる。
「もどかしい思いをしていたと思う」
22日、日本ハムは福田俊と来季の契約を結ばないことを発表した。福田は通告を受けた後、同じく道産子である杉浦に電話で報告してきた。「今年は福田自身も、自分の思うように状態が上がらないけれど、理由が分からないという、もどかしい思いをしていたと思う。鎌ケ谷でも見ていたので」。キャンプ中に原因不明の神経痛を発症し、今季前半戦はプレーすることもままならなかった。そんな苦境の中でもがき続けた後輩左腕は、6月下旬に実戦復帰を果たした。その姿を間近で見ていただけに、「やっと投げられるようになってきたので、個人的にはまだできる状態かなと思うんです。(福田も)『現役でまだできるので、やります』みたいに言っていたので、自分が納得できるまでやってほしいという気持ちです」と、新天地での復活にエールを送る。

「毎年そうですけど、最後のつもりで」
前日23日にはドラフト会議が行われ、新たにプロ野球界に足を踏み入れる選手が多く誕生した。新陳代謝の激しい世界だけに、杉浦も覚悟を持って来季に臨む構えだ。「本当に1年1年が勝負なので。毎年そうですけど、最後のつもりで取り組んで、少しでも後悔を残さないようにやりたいと思っています」。新たなシーズンで再び輝きを放つべく、杉浦が秋季練習で己の心身を研ぎ澄ましていく。

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