【一問一答】伊藤大海 3億円の大台突破! 「自分どうこうより、ただただ優勝したい」
獲得したタイトルなどが書かれたくす玉を手に笑顔の伊藤=撮影・松本奈央
WBCで対戦したいバッターにも言及
日本ハムの伊藤大海投手(28)が3日、エスコンフィールド北海道で契約更改交渉に臨み、1億2000万円増の年俸3億4000万円でサインした(金額は推定)。プロ5年目の今季は先発ローテーションの柱としてフル回転。2年連続の最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得し、沢村賞にも輝いた。一問一答は以下の通り。
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―サインしたか
「しました」
―具体的な金額は
「アップしました」
―3(億)という数字が気になる。大台は
「はい。超えています」
―球団から金額を提示された時の心境は
「そうっすね。税金、大変だなと思いながら…(笑)。所得税45%、消費税10%、住民税10%、65%すごいなと思いながら」
―このタイミングでの大台は球団ではダルビッシュ以来
「ダルさんは高卒なので、僕は大卒なのでちょっとあれですけど、すごくうれしく思います」
―あらためて交渉の席で球団からどんな声掛けがあったか
「1年間、本当にお疲れさまでしたっていうことと、来年は必ず優勝しましょうっていう話は、お互いしました」

―あらためて今季のことを。まさにフル回転のシーズン。どんな1年だったか
「う~ん。こう自分のスタイルというか1年間、貫けたのは良かったかなと思いますけど、最終的に優勝できていないので、本当にそこに限るというか。優勝したいという思いだけが強いですね」
―1年で印象に残ったシーンを伺いたいが、今は悔しい場面が浮かぶか
「そうですね。あと1勝、あと1勝。ここを勝っておけばって、反省にはなってしまうんですけど、逆にそこを勝ちきればってところだと思うので。去年も悔しかったと言って、今年も悔しかったと言ってしまっているので、何か大きく変える必要はあるかないか。それはチームとしてどうやっていくかってところだと思いますけど、一人一人の意識がさらに高いところにあれば間違いなく勝てるチームだと思うので、そこを引っ張っていけるようなシーズンにしたいです」
―個人として沢村賞も獲得
「そこは選手として光栄なことですし、特に沢村賞に関しては自分が目指してきた賞でもありました。本当にうれしく思っていますが、それに優勝が付いてくれば、うれしさも倍増するので、優勝して自分としてはタイトルをしっかり獲りたい思いが強いです」
―数々のタイトルや賞を受賞。好成績につながった要因は
「年々、いろんなことを試してやってきて。キャンプの過ごし方もそうですし、ほかとは違って球数を抑えてみたりとか。12球団のうち、キャンプ中のブルペンでの球数は、先発だったらダントツに少なかったと思う。そのピッチャーが一番、イニングを投げたのは、これからの野球界にすごく大きいものなのかなと思うので、効率のいい方法をどんどん共有できたらなと思います」
―新庄監督は、大海だけは1年間きっちりローテで回すと。監督とはどんな話をしながら戦っていたのか
「特にこうしろ、ああしろはなかったんですけど、正直。確認というか、これでいい? とか、この方がいいかな? という話が多かった。なんかいろんなことを聞いてもらいましたし、それに対して自分のことではなくてチームとしても考えてコミュニケーションを取れていたので、すごくいい関係かなと思います」
―新庄監督は「F FES」で来季の開幕投手として発表した
「開幕投手は特別な場所だと思いますし、特別な思いももちろんあるので、そこでしっかり勝ちきりたい。2026年ファイターズはこういうチームだと示す絶好の機会だと思うので、また違ったいい姿でマウンドに上がれたらなと思います」

―シーズン開幕戦は優勝争いを繰り広げたソフトバンクが相手になる
「本当に今シーズンも何回も何回も投げましたけど。個々を見ても、もちろんすごいんですけど、やっぱり終盤にかけての勝ちに対する貪欲さというか執念を見せつけられた。技術うんぬんじゃなくて絶対、勝つんだ。負けちゃいけないっていう、ああいう気持ちをもっとチーム全員でファイターズとして持ってやっていかないといけないのかなっていう」
―ファンは体調も心配していると思うが、コンディション面は
「しっかり11月、休ませていただきましたし、来シーズンに向けていいスタートが切れるかなって、それくらいの状況です」
―来季は春にWBCもある。どんな目標、数字を掲げるか
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「優勝だけですね。本当に。もちろんWBCに選ばれることがあれば、日本のために全力で準備して投げたいなと思いますけど、僕はファイターズの選手なので。開幕からしっかり合わせていきますし、チームのために1年間走れる体づくりであったり、気持ちの部分であったり、チームの中心であれるように。しっかりやっていきたいです」
―具体的な数字のイメージは
「優勝。優勝して、ローテーションで1年間しっかり投げ抜いて、チーム内で一番いい成績であれば、おのずといろんなタイトルも付いてくると思いますし。自分どうこうより、ただただ優勝したいです」

―税金が大変とのこと。何に使いたい
「引退した時、どれぐらい税金かかってくるか分かんないんで、しっかりためて残しときます。一番大変だと思うんでそこは。貯蓄に回します」
―家族にプレゼントは考えているか
「何かしらプレゼントしたいなと思いますけど。父親にはこの前、真空機。魚とか(保存できる)真空機を買いました」
―それはリクエストか
「僕が今年の春ぐらいから使ってて、めちゃくちゃ良かったんで、ちょっと使ってみてっていうことで」
―良い竿は
「いい竿はもう持っちゃってます。来年のフィッシングショーが楽しみですね。新しいのがどんどん出てくるので」
―キャンプでの球数を少なくして、1年間で不安に感じたところ
「特になかったですね。球数を減らすことによって、投げること以外でのやらなきゃいけないことが増えたんで。そこを細かく確認できたっていうのと、逆にちょっと体が思うように動いてない時期でも自分の球を見なくてよかったっていうのは正直、あったので。自分の感覚というか、これをやっとけば大丈夫っていうのを、どんどん明確化してって、それを年間通してやり通せたっていうのが、あまり大きな波をつくらなかった要因でもあるのかなと思うので。なんか投げてみなきゃ分かんないじゃなくて、こうしとけばこう投げられるみたいな感覚で取り組めたっていうのは大きかったかなと思います」
―交渉の席で球団に要望は
「特になかったです。聞かれましたけど。ほんと何不自由なく野球できてるんで大丈夫ですっていうことは言いましたけど」

―WBCが来春にある。前回大会の反省を生かして、コンディションのつくり方は
「その時(前回23年)は1月に結構、ちゃんと(体を)つくったんですよ。WBCに向けてというか、あえてそれをしないでいこうかなっていう、いつも通り。WBCに対してあんまり、もちろん入っていくんですけど、なんて言うんすかね、誤解を招きそうなんであれですけど、オープン戦をやってる時期と変わんないので。そのオープン戦やってる時期って、もう打者にいけている時期なんで、無理してなんか8月とか9月とか、その最高潮の状態をそこに持っていく必要がないのかなっていうのがあるので。レベルはもちろん上げなきゃいけないですけど、自分の投球レベルを上げとけば、そこでそんなに爆発的に上げる必要がないかなって思うんで、あまり気負いすぎず準備していこうかなっていうのはあります」
―それはダルビッシュなど、ほかの投手のアドバイスか
「いや、前回の失敗を踏まえてですね。気持ちを上げすぎてっていうのはあったんで。あの時はもう一生懸命すぎて、WBCにっていうのがあったんで、その先を正直、見れてたかって言われたら、そんなに見れてなかったんで。でも今こう、チームとしてリーグ優勝、日本一っていう目標がある中で行くので、もし行くことになったら、まだやることあるっていう状態で終われるのかなって、WBC自体を。そういうメンタルでいきたいなっていうふうに思ってます」
―イメージ的には開幕に向かう過程の中にWBCがある
「過程の中に最高の舞台があるみたいな。で、またファイターズとして、チームとしてリスタートできるっていうぐらいのイメージで。ちょっと言葉が難しいんで、あれですけど」
―WBCで対戦したいバッターはいるか
「(ヤンキースの)ジャッジ。ジャッジっすね。すごいっすね。スイングしたらマウンドまで風が来そう。1回だけプロに入って、それを感じた人がいて。鈴木誠也さんの時に感じました、それを。空振りした時にっていう」
ー映像で見てても、そのぐらい迫力ある
「ジャッジはありますね。振らないの?ってぐらいまで球を呼び込んでちゃんと引っ張り込める。ちょっと感じてみたいですね」
ー前回、アメリカ戦でも投げた。その時に感じる機会はなかった?
「その時は、そういうガツンっていくバッターと巡り合わなかったんで。ターナーとかシュアなバッティングをするタイプだったんであれですけど、でもやっぱり投げミスがあったら怖いなっていうのは感じてたので。その当時の感覚と、今、対峙(たいじ)した時の感覚と、どのぐらい変わってるのかなっていうのも、ちょっと楽しみにはしてますけど」
