伊藤大海 元相棒・伏見の意志をつなぐ「ファイターズに残してくれたものは多い」 対戦時のプランも
トークショー&抽選会に参加した伊藤=撮影・松本奈央
リスペクトゆえの愛あるイジり
伊藤大海投手(28)が20日、田宮裕涼捕手(25)とともに「応援大使プロジェクト」の一環で、小樽市で行われたトークショー&抽選会に参加。同じ北海道出身で、阪神へのトレードが決まった伏見寅威捕手(35)へ感謝の思いを語った。
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伊藤と伏見は〝ひろとらバッテリ〟ーとして親しまれた。司会者から今の気持ちを問われると「もちろん、寂しい気持ちもありますけど、僕も裕涼も寅威さんにすごくお世話になりましたし、寅威さんから学んだことだったり得たものを僕も裕涼だったり、進藤勇也だったり、いろんな選手に伝えていますし、どんどん下の世代につなげていかないといけないと自負しているので。勝つことを知っているキャッチャーだったので、すごく勉強になりました。阪神で活躍する姿を見たいですし、対戦してけちょんけちょんにしてあげたいです(笑)」。最後はイジりを入れつつ、言葉をつないだ。

寂しさを忍ばせた移籍報告
先輩女房役からは電話で報告を受けた。
「連絡はすぐにくれました。今度、ご飯行こうとは言っていましたけど、寅威さん自身が寂しかったのか、『俺、トレードだから、じゃあねー』みたいな感じだったので、寅威さんらしいなと思いながら」。驚きはあったが、「でもそんな嘘はつかないだろうなと思って」と受け入れた。
挙げればキリがない思い出深いシーン
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23年にオリックスから加入した伏見とは、7歳差だが、なんでも言い合える存在だった。毎年、誕生日にはプレゼントを交換。全幅の信頼を寄せており、シーズン中もこまめに連絡を取り合っていた。
23年の春季キャンプでブルペン投球後に伏見(右)と話し合う伊藤
「寂しいなとは思いましたけど、(伏見)寅威さんの野球人生でもありますし、すごくファイターズに残してくれたものは多いと思う。それを僕とか裕涼が伝えていくのはすごく大事なことだと思うので、そこはしっかり感謝して、その意志をつないでいきたいなと思います」
献身的な姿勢に何度も助けられた。昨年の前半戦はバッテリーを組む機会が少なかったが、登板翌日には〝反省会〟に付き合ってもらっていた。「去年もそうですけど、シーズンを通して、ここのこれが良かったとか、自分が受けていない試合でも共有してくれていた。自分のことだけじゃなくてチーム全体を見ていた先輩だったかなと思います」と感謝する。
3球勝負を宣言!
寂しさもあるが、交流戦、日本シリーズなどで対戦することを心待ちにする。「変化球いらないですね(笑)。外2球、内1球でたぶん、大丈夫です」とニヤリ。手の内を知られているが、「でも(元オリックスの山本)由伸の時も、けちょんけちょんにやられていたので(笑)。真っすぐ張ってくるでしょうね、そうなったら」と不適な笑みを浮かべた。
今季の全27登板中、伏見と18試合でバッテリーを組み、10勝をマーク。23年オフから目標に掲げていた最優秀バッテリー賞を受賞した。「もうそれは、約束していたというか、2人で掲げていたものだったのですごくうれしいです」

来季は田宮とともに栄誉を
この日のイベントの最後には、一緒に登壇した田宮と来季、最優秀バッテリー賞を獲得することを誓った。
「取りたいですね。トークショーでもありましたけど、(田宮は)思い切りの良さというか、ピッチャーを奮い立たせてくれるというか、信じて(サイン)出してくれるので。そこはすごく自分も勇気を持つことができますし、ただ、そこをいけいけどんどんでいって良い場面とダメな場面があるので、そこはしっかり話し合いながら、よりいいものを築いていけたらなと思います」。寅威さんの教えを胸に刻み、さらなる高みを目指す。
抽選会でプレゼントを渡す伊藤(中央)