伊藤大海 「35歳の伏見寅威選手の巧みなリード」に感謝 〝ひろとら〟ならぬ「フワフワバッテリー」!?
八回を無失点に抑え、ガッツポーズを見せる伊藤=撮影・松本奈央
■パ・リーグ10回戦 オリックス0-7日本ハム(5月13日、エスコンフィールド北海道)
ハーラーダービートップタイの5勝目!
日本ハムの伊藤大海投手(27)が先発し、8回4安打無失点と好投。今季、本拠地で初勝利となるリーグトップタイの5勝目を挙げた。
ピンチでは圧巻の三振ショー
これぞエースのピッチングでピンチをくぐり抜けた。1点リードで六回は1死一、三塁、七回は2死三塁と走者を背負ったが、ともに三振を奪い、無失点に封じた。
「六回はいいとして、七回は自分(のけん制悪送球)で招いたピンチ。ここは抑えて帰らないとやばいなと思いました」と安堵の表情だった
七回2死三塁、オリックス・若月から三振を奪い、ほえる伊藤
前回登板での〝布石〟を巧みに利用
首位争いをするオリックスとは、7回1失点(自責0)と好投した6日から2登板続けてのマッチアップだった。
「前回のピッチングも踏まえての、きょうだった。ある程度、真っすぐを意識してくれていた。追い込んでから変化球だったり、いろんなボールで勝負できたというところが大きかった」
リーグトップタイの5勝目を挙げた伊藤=撮影・井上浩明
息ぴったりの道産子バッテリー
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好投を引き出したのは、12日に誕生日を迎えた女房役の伏見だった。共に上がったお立ち台では「横にいる35歳の伏見寅威選手の巧みなリードがいいピッチングにつながりました」と感謝した。
さらに「僕が立ち上がり、フワフワするなって話はしていたんですけど、頭は冴えていたので、そこの兼ね合いで寅威さんもうまく引っ張ってくれたなって。投げ終わってベンチに戻ったら、オレもきょう、フワフワしていたと、フワフワバッテリーでした(笑)」。道産子バッテリーは、こんなところでも息ピッタリだった。
バッテリーを組んだ伏見(左)と伊藤
F党を沸かせたヒーローインタビュー
ヒーローインタビューでも、コンビネーションは抜群だった。
この日は4選手が登壇した。最後にマイクが回ってきた伊藤が「もうやりづらいっす」とボヤくと、隣の伏見から「やれやれやれ」とけしかけられ、「やりましたーー!」と絶叫。平日デーゲームに集まった2万8529人のファンを沸かせた。
お立ち台で”やりましたー”と声を上げる伊藤(中央)
頼りがいのある「ママ」 伊藤「本当に感謝している」
伊藤にとって、伏見は「ママ」のような存在だ。昨季の前半はバッテリーを組むことが少なかったが、登板翌日には「こっちの方が良かったですかね、とか赤ペン先生的な」と〝反省会〟に付き合ってもらっていた。
今年は開幕からコンビを組み、三振数はリーグトップの56。「スラッターなのかスライダーなのかスプリットなのか、いろんな選択肢を持った中で、寅威さんが一番合っているものを引き出してくれている。本当に感謝している」と頭を下げる。
六回のピンチを無失点に抑え、ベンチに戻った伊藤(右奥)と伏見(左)が言葉を交わす
最愛の母に最高のプレゼント
母思いのエース右腕は、鹿部町で暮らす正美さんにも感謝の気持ちを忘れない。11日の「母の日」には、母の日仕様のピンク色のグローブの写真を送付。この日は球場に来られなかったが、自宅からパワーを送ってくれていた。
「今年初めてのエスコンでのお立ち台で、きょう両親が来られていなかった。朝『わたしのこと気にせず勝っていいよ』とLINEが来たので勝てて良かったです」。次回もエスコンフィールド北海道での登板となる見込み。今度は母に直接、勝利を届ける。
六回2死一、三塁、オリックス・杉本から三振を奪い、グラブを叩く伊藤