【新春インタビュー前編】西野奨太が語る飛躍の理由「幼稚な考えを捨てました」 盟友への思いも吐露
新春企画のインタビュー前編で2025年シーズンを振り返ったDF西野=撮影・桜田史宏
クラブの未来を担う21歳の有望株
道新スポーツデジタルは新春企画として、2025年に行った北海道コンサドーレ札幌のDF西野奨太(21)のインタビューを前後編でお届けする。讃岐への育成型期限付き移籍を経てチームに復帰した25年シーズンは、キャリア最多の30試合出場と大きな飛躍を遂げた。クラブの未来を担う有望株は、盟友との別れやレギュラー定着の要因を赤裸々に語った。
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定位置確保し毎試合が刺激的だった
―1年間お疲れ様でした
「お疲れ様でした。シーズンは長いようで終わってみたら一瞬ですね」
―出場機会を一気に増やした飛躍のシーズン
「出られない期間はスタンドの上から出ている選手たちを見て、悔しさやもどかしさを感じていました。試合に出ている人がうらやましかったし充実して見えました。自分が出る立場になってからは毎試合が刺激的でいろいろな経験ができました。勝ったり負けたりして感情の部分でもいろいろな経験ができた1年間です」

―レギュラー獲得のきっかけをつかんだタイミングは
「これは徳島戦(第8節、○1-0)ですね。プロになって初めて自分のプレーができたと思います。あの試合で全てが変わりました。守備範囲の広さやボールを奪うこと、落ち着いてボールを動かせる特長を出せて、すごく自信が付きました」
育ててもらった岩政監督に感謝
―岩政監督がチャンスを与えてくれた
「今年も最初はなかなか試合に出られなかったけど、その中でも大樹さんは評価をしてくれて『試合に出る準備をしておけよ』って言ってくれました。自分の可能性を信じて起用して、いろいろなポジションをやらせてもらえて感謝しかないですね。大樹さんに育ててもらったと思います」
―ポジションをつかむこと、手放さないこと。それぞれの難しさは
「最初の頃は試合に出ていても『次の試合は出られるのかな?』という気持ちでした。試合に出続けることで『チームのために』とマインドが変わっていきました。そこからプレーが安定して、自分が自分がってなることがなくなった。良いプレーをすることばかりに囚われていたら、あまりうまくいかない。チームが勝つことを最優先することでプレーが落ち着きました」
2025年2月21日、熊本キャンプの全体練習終了後、西野(左)と馬場(同2人目)が岩政監督と話し込む
―定位置をつかむまではガムシャラだったか
「そうですね。試合に出るってことが当たり前ではなかったので。試合に出ることでの充実感を手放したくないって思いましたし、プロは試合に出るのが全てですから、その環境を手放したくなかった。だから負けた後の試合はすごく落ち込みました。出始めた当初は、感情の起伏がすごく大きかったかなと思います」
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札幌を離れて讃岐で経験したことで 失いかけていた感覚が…
―躍進の要因は
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「プレーの質でいうと止める、蹴るといった基礎的なところですね。ディフェンスのポジショニングも。基礎的なところのレベルが上がったと感じています。もともとディフェンスは得意だったけど(プロ入り後に)ミシャさんのマンツーマンになったことで、頭を使う感覚が薄れていた。讃岐に行ってオーソドックスなゾーンディフェンスになったことで、自分が失いかけていた感覚が戻ってきた。マンツーマンで発揮できなかった感覚を取り戻した感じがあって、そこが大きな違いですね」
―ゾーンディフェンスがやりやすかった
「そうですね。もともと周りに頼って、周りを使って守備をするタイプ。周りの人がここへ行ったから、ここにボールを蹴ってくるだろうなって予測する。相手の目線を見ながら守備をするタイプなので、マンツーマンよりもゾーンの方が自分的にはやりやすかったです。試合に出続けることでマンツーマンも強くいけるようになったので、今はどちらでも自分の長所を出せると考えています」
―メンタル面の変化は
「試合に出なきゃ、という幼稚な考えを捨てました。気持ちをチームに向けることで周りを見られるようになったし、自分ではなくチームのことを考えることで成長することができたと思っています」
2025年4月5日の徳島戦の前半、ドリブルで攻め上がるDF西野
常に一緒にいた馬場の移籍でロスに
―シーズン中は元札幌DF馬場(柏)の存在が成長を後押ししてくれたと頻繁に話していた
「彼が(移籍で)いなくなってからプライベートでも1人でいることが多くなりました(笑)。他に遊ぶ人はいますけど、いなくなってからあらためて、こんなにバビー(馬場)と過ごしていたのか…って感覚になりました。どこへ行くにも一緒でしたし、オフもオフの前日も一緒にいたので。クラブハウスでも常に一緒だったから、いなくなると喪失感がありました」
―アウェーでの試合前日は2人でお風呂へ行くことがルーティンだった
「試合前の風呂は行かなくなって、ホテルの部屋での長風呂にしました。バビーがいたから楽しかったけど、一人で行く元気はないです。会話をする場だったので、一人になってからはもういいかなって。彼は柏でも行っているようですが、僕は一人では行かないです。ホームは行くこともあるけど、アウェーは行かないですね」
2025年6月6日、最後の時間を惜しむようにパス交換を行ったDF馬場(左)とDF西野
学ばせてもらった男気ある姿
―馬場が残してくれたものは
「彼から学んだのはサッカーへの情熱です。パッションが一番です。あれだけ負けず嫌いで露骨に態度に出る人は初めて。自分も出るタイプなので共感できました。彼はスタメンを外されたとき、その怒りをプレーにぶつけられる。自分は良くないメンタル状況のときに良いプレーができなくなる。そこは本当にすごいと思います。イライラを良いプレーにつなげられるのは良いところ。サッカー以外のところも彼がほとんど教えてくれた。先輩らしい姿、男気ある感じを自分もやってもらった分だけ、後輩にやってあげたい。ご飯もたくさんおごってもらって、その男気からいろいろ学ばせてもらいました」
―親友がJ1で活躍する姿に刺激を受けたか
「もちろん、そうですね。J1の首位争いをしているチームへ行って、バビーも出ながら勝っていた。試合を見てすごいなって思う一方で、早く自分も同じ舞台に立たないといけないって危機感が湧いてきました。彼はJ1に行って、さらに充実している。その舞台でプレーすることで(充実度が)全然違うって言っていたので、早くバビーに追いつかないといけないな、という気持ちでいます」
(後編へ続く)
25年6月6日、別れを惜しむようにパス交換するDF馬場(左)とDF西野
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