西野奨太が明かすCマークに託された思い「アカデミー育ちの自分が…」
引き分けに終わり、サポーターへの挨拶に向かうキャプテンマークを付けたDF西野(左手前)=撮影・北波智史
■J2第37節 今治1-1札幌(11月23日、愛媛・アシックス里山スタジアム)
北海道コンサドーレ札幌は23日、敵地で今治と対戦し1-1で引き分けた。左CBでスタメン出場したDF西野奨太(21)は、プロ入り後初めてキャプテンマークを巻いてプレー。チームをけん引する責任感を胸に、攻守で輝きを放った。
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若きホープの躍動が、札幌の明るい未来を想像させる。主将の高嶺が累積警告により欠場した一戦。大役を任された西野は普段と違う緊張感を覚えていた。
「小さい頃からお世話になっているクラブで、キャプテンマークを巻くことができて夢のような時間でした。前日からすごく心臓がバクバクして『平常心、平常心』と思って試合に臨みましたが、最初は硬さが出てしまった。そこは反省しています」

そんな言葉とは裏腹に、ピッチ上では堂々とした振る舞いを見せた。ウォーミングアップの前には「自分なりにキャプテンとして引っ張りたい」と仲間たちへ決意表明。試合前には「走る、闘うという大事なことを言いました」と、クラブフィロソフィーの徹底をチームメートと共有した。試合中もレフェリーと冷静に対話を重ねるなど、役目を全う。スタメン最年少のリーダーは、クラブのためにベストを尽くした。
数日前に高嶺主将から推薦 「どんな覚悟でチームを…」
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赤黒の近未来を担う男に、ゲームキャプテンを託す―。指揮官と主将の思惑は合致していた。試合の数日前、柴田監督から相談を受けた高嶺は、背番号47の名を挙げた。西野は「(高嶺)朋樹くんから2、3日前に『お前を推薦しておいたから』と言われて、朋樹くんがどんな覚悟でチームを引っ張ってきたかを考え直しました。自分が引っ張る立場になったときに、その気持ちを受け継ぎながら自分の色を出せたらと思いました」と舞台裏を明かす。

指揮官とは、アカデミー時代から強い絆で結ばれている。中学2年時から柴田監督の指導を受ける西野は、数年ぶりのキャプテン任命に大きく心を動かされた。
「自分が中学の頃、サッカーに気持ちが向いてなかった時に、柴田さんがキャプテンに任命してくれた。プロの舞台でも『キャプテンを任せたい』と言ってもらったときは、本当に感慨深かった。夢見ていたコンサドーレのトップチームでキャプテンマークを巻くことが叶った。支えてくれた周りの選手や家族、柴田さんを含めて育成年代の自分を指導し、支えてくれた方々に姿を見せられて本当に良かった」
将来を見据えた大抜擢が、成長を後押ししてくれる。新たな自覚が芽生えた男は、恩師の言葉を深く胸に刻み込む。「柴田さんからは、キャプテンマークはただ巻いているだけじゃない。この試合の先頭に立ち、まとめ上げる役割がある。アカデミー育ちの自分が、早い段階で付けることに意味があるという話をされました」。ニューリーダーの誕生が、札幌の未来を明るく照らす。

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