《今治戦後》未来に向けて、このゲームを自分たちの引き出しにしよう《柴田Talk》
■J2第37節 今治1-1札幌(11月23日、愛媛・アシックス里山スタジアム)
試合後の会見に応じた柴田慎吾監督(40)の主な一問一答は以下の通り。
―試合を振り返って
「長距離移動のアウェーで今治というタフな対戦相手。90分間を通してピッチのいたるところでストレスの掛かるタフなゲームだったなと思っています」
―前半は効果的なプレスから高い位置でボールを奪えた。試合前の指示は
「対今治というところでプレスは狙いの1つでした。(指示は)システム的にかみ合わせが悪いが、特にワンアンカーを消しながら、勇気を持って縦ズレしていくこと。流動的に動いてくるところで、ある程度パターンや担当を決めていました。選手たちはコミュニケーションを取りながら効果的にプレスを掛けてくれて、引っかけてショートカウンターを仕掛けられた。ただパスがずれてしまうなど、精度はまだまだ改善の余地がある」
―スタメン最年少の西野奨太にキャプテンマークを委ねた。その意図とプレーの評価を
「高嶺が出場停止の中でキャプテンをどうするか、というところでした。副キャプテンはスタートじゃなかったので、ゲームキャプテンを誰にしようかと考えた。高嶺にも相談した中で『西野がいいんじゃないか』と。同じアカデミー出身。偉大な主将から(引き継ぐ形で)奨太がキャプテンマークを巻いてゲームに出る。それはクラブの未来につながる。個人的には、(西野を)中学2年から指導していた。自分がトップチームの監督になって、奨太にキャプテンマークを託すことになったことは感慨深い。ウルっと来るぐらい。試合前に感傷に浸っている場合ではないけど、心に来るものがあった。プレーに関しては苦しいゲームでしたが、彼なりにベストを尽くしてチームを引っ張る姿勢が見られた。心身共にたくましくなってきました。まだまだですけどね」
―今季は引き分けが少ない。結果が意味するものは
「(試合後に)ロッカールームで選手たちに話してきましたが、年間を通すと苦しいゲームはある。逆にうまくいっているゲームをポロっと落とすこともある。きょうのように先制点を奪われて、ましてやアウェーなので、ゲームの流れとしてはかなり苦しかった。どちらかといえば負け試合に向かいそうな流れになると思う。その流れの中でパワーを持って1点を返せた。その後はオープンになって、うちにも今治にもチャンスがあって、どちらが勝ってもおかしくないゲームだった。勝ち点1を積み上げることが最終的な順位に大きく影響する。自分たちのフットボールを表現して毎試合理想的な展開で勝ち点3を積み上げられる強さがあればいいけど、簡単にはいかない。きょうのように苦しいゲームで勝ち点1に持って行くこと、さらには勝ち点3に持って行くためにも、1つの成功体験となった。このゲームを未来に向けて、自分たちの引き出しにしようという話をしました」
―シーズン最終戦へ
「昨シーズンJ2に降格して、1年でのJ1復帰を目標に掲げてスタートした。その目標が達成できず、サポーターのみなさんの期待を裏切った。ただ、最後にホーム最終戦がある。前節の大分戦、きょうの今治戦も含めて、昇格がなくなった中でもプロとしての姿勢を見せようと話している。姿勢を見せつつ感謝の思いを持って、内容と結果をホームでサポーターに届けることが義務と思っている。もう1つは深井一希ですね。彼の現役ラストマッチになる。良い形で次のステージに送り出せるように。その両面を意識して最終戦を戦いたい」
【深井一希ら道産子5選手がトークショー 不屈の男は最終戦に照準「スタートから行きたい」】
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