西野奨太と柴田新監督の深い絆「アカデミーの1番濃い時間を過ごした」
秋田戦に向け、調整するDF西野(中央)=撮影・桜田史宏
■8月15日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は15日、札幌市内で翌日に控える第26節・秋田戦(午後2時開始、プレド)へ向けて非公開練習を行った。後半戦全試合でスタメン出場を続けるDF西野奨太(21)は、2試合ぶりの勝利を目指して気合十分。攻守に躍動する赤黒のホープが、何よりも欲しい勝ち点3を引き寄せる。
選手たちに言葉を掛ける柴田新監督(左から2人目)
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再びの共闘に、心は自然と高ぶる。新指揮官になった柴田監督とは、札幌U-15のコーチと選手として2018年からの2年間を共にした。当時、思春期だった西野は「サッカーに対して〝なあなあ〟になっていた時期。メンタル的に不安定で、めちゃくちゃ迷惑をかけました」と過去を思い返し、照れくさそうに笑った。

発展途上の才能を引き出すため、柴田監督は多感な年頃の少年と正面から向き合い続けた。足りなかった覚悟と責任感は、キャプテンに指名されたことで少しずつ芽生え始めた。
「サッカーの練習に対して100%で取り組まない面があった。その中でも自分の将来性、プレーを評価して先につなげるためにキャプテンにしてもらえた。自分が腐らないための任命だったと思う。アカデミーの1番濃い時間を柴田さんと過ごしたので、プロの指揮官になったことが嬉しい。感謝を結果で返すために、しっかり勝たないと」
長くプロで活躍する選手になるために 指揮官が運転する車内で金言授かる
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プロ入りが内定した高校2年時には、柴田監督の運転する車内でプロフェッショナルの心構えを授かった。「まずは絶対にプロとしてやれる実力があると言ってもらいました。だけど、実力があるけど腐っていく若手はいっぱいいる。柴田さんも現役は短かったという話をしてもらって、自分のようにならず長くプロで活躍する選手になってほしいと伝えられました。現役時代に感じた『こうするべきだった』ということを細かく説明してくれました」。忘れられないドライブから数年の月日が経過。大きな成長を遂げた青年は今、恩師への思いをプレーで体現するつもりだ。
ボール回しをするDF西野(左)
義理堅い男は、もう1人の恩人にも深い感謝の念を抱いている。昨季までJ3讃岐でプレーしていた西野は今季、岩政前監督に素質を見いだされ、一気にレギュラーへの道を駆け上がった。
「自分はずっとコンサドーレで活躍したいと思っていたけど、ミシャさんのときには実現できなかった。大げさではなく、(岩政)大樹さんと出会って自分のサッカー人生が180度変わりました。教わったことはサッカー人生の基盤になっているし、ここから積み上げていこうと思っています」
そんな師弟関係が長く続かなかったことを、誰よりも悔いている。人生で初めて経験したシーズン中の監督交代は、西野に大きなショックを与えた。
ピッチに出てきたDF西野(左)と握手を交わす柴田新監督
「ボールを保持して相手を押し込んで、圧倒する。やりたいサッカーを常に提示してくれたのに、自分たちは実現できなかった。結果が付いてこなければ責任を取るのは監督になってしまう…。責任感と後悔しかないけど、今はチームのためにプレーすることが大事と気持ちを切り替えます」。指導者たちの恩に報いるため、背番号47はワンプレーに全力を注ぎ込む。
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青空の下、選手たちに言葉を掛ける柴田新監督(中央奥)