西野奨太が目指す新たなCB像「家出少年と言われますが、良いトライができています」
新たなCB像を目指す西野。岩政サッカーの申し子として活躍を目指す=撮影・宮西雄太郎
■8月6日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌のDF西野奨太(21)が6日、札幌市内で行われた全体トレーニングに参加し、第25節・長崎戦(9日、ピースタ)へ向けて調整した。右CBでスタメン出場した前節の鳥栖戦は無失点勝利に貢献。次戦も強固なDFラインを構築し、2試合連続のクリーンシートを狙う。
磐田戦の悔しさ取り返すために
強い責任感を胸に秘めて自らのプレーと向き合ってきた。大敗を喫した7月12日の磐田戦のパフォーマンスを悔いた背番号47は、中断期間の3週間を有効に活用した。
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「磐田戦の悔しさを取り返したい思いが強かったし、それはピッチ上でしか晴らせない。中断期間中は主力組から外れることが多かったのでメンバーに戻るために試行錯誤して頑張りました。まずは疲労を取って体のコンディションを整えること。そして他の選手との違いは攻撃なので、そこで自分の特長を出そうと考えていました」

リーグ戦再開を前に、札幌は大きな賭けに出た。3バックへのシステム変更は奏功し、難敵・鳥栖から1-0の完封勝利を収めた。右CBで出場した西野は、あえてリスクを冒して前へ出ることで相手のポジショニングを混乱させた。
「それが俺なのでお願いしますと…」
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「練習中にも『家出しすぎ』と言われますが、それが俺なのでお願いしますと伝えています(笑)。鳥栖戦も(高嶺)朋樹くんが俺のポジションをカバーしてくれたり、(髙尾)瑠くんが絞ってくれた。自分がインサイドを取るとボールを失ったときはリスクになるけど、それをみんなが理解してくれて自由に動くことができる。経験ある選手が後ろから支えてくれていると実感しています。同じポジションにいてもズレは起きない。家出少年と言われますが、それをすることで相手は崩れる。良いトライができています」

彼がフラフラどこかへ行っても、他の選手がスペースを埋める
規律の中に自由がある。選手の独創性を生かす岩政監督は、鳥栖戦の西野のプレーを振り返り「僕がやりたい3バックの特長に合う選手。ぐるぐる散歩しながら後ろの選手がポジションを変えることを、ようやく導入できた。彼がフラフラどこかへ行っても、他の選手がスペースを埋める繰り返しをしたかった」と高く評価した。
岩政サッカーの申し子が目指すのは、クラブが掲げる攻撃的スタイルにフィットする新たなCB像だ。「ボランチとCBの中間でもあり、シャドーとボランチの中間でもある。自由に最終ラインから最前線までをつなぐ役割が、できるタスクを渡されている。表現するのは難しいけど、自分の感覚ではそういうイメージかな」。対人戦に強く、ゲームの流れを読む力を併せ持つ。西野だけができる仕事を、ピッチの上で体現してみせる。
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次節の相手は6位・長崎。PO圏進出、昇格を争うライバルとの直接対決は絶対に負けられない戦いだ。「スタジアムも、観客の雰囲気も、選手一人一人の能力もリーグ屈指。そんな相手に勝つことができれば(8月の)5連勝が見えてくる。次の試合の重要性を感じながら準備がしたい」。赤黒の有望株は、オリジナルなプレーで札幌を牽引する。