母と二人三脚でつかんだ銅メダル 札幌出身・山田琉聖がスノーボードHP快挙 本人はサロマ湖でアルバイト、トリプルワークで支えた母【ミラノ・コルティナ五輪】
男子ハーフパイプで銅メダルを獲得し、笑顔でポーズをとる山田琉聖=共同
滞空時間の長さと完成された独創性
札幌市出身の山田琉聖(19)=チームJWSC、札新川中出=が、13日夜(日本時間14日未明)に行われたミラノ・コルティナ冬季五輪スノーボード男子ハーフパイプ(HP)決勝で、銅メダルを獲得した。HPでは北海道出身選手初のメダルだった。滞空時間の長い技を中心とした独自の構成と、完成度の高さで表彰台に上がった山田。母子の二人三脚で遠征費を稼ぎ、ひたすら上達を目指してきた日々が、メダルという形で結実した。【北海道新聞運動部・相武大輝】
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決勝戦を終えて家族や故郷へ感謝
「本当にたくさんの方々にサポートしていただいた。メダルを持って北海道に帰れるのはすごく嬉しい」。決勝後、山田は家族や故郷への感謝を口にした。
1回目にフルメークを決めて92.00を出し、首位に立った。2回目に金メダルの戸塚優斗(ヨネックス)らに追い越され、3回目の逆転はならなかったが、五輪初出場で見事にメダルを手にした。
小学生の頃に五輪選手になると決意 遠征費の捻出に奔走しサンタにも…
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10歳の時だった。「俺、オリンピック選手になる」。札幌市内で行われた元五輪代表の村上大輔さん(42)=のHPレッスンに参加した直後、山田は母の美咲子さん(48)に突然、決意を語った。村上さんから五輪の素晴らしさを聞き、刺激を受け、自ら鍛錬の日々に身を投じた。
姉の莉乃香さん(21)を加えた3人で、札幌市のスキー場だけでなく、大会出場や練習場所を求めて、山梨県や岐阜県のスキー場に頻繁に遠征した。普通のサラリーマン家庭が、高額な遠征費を捻出するのは容易でない。1泊1人500円の宿に泊まったり、車中泊をしたりした。美咲子さんが自家用車を運転して、高速道路を使わずに40時間以上かけて会場に着いたこともあった。
「スノーボードができるお金がほしい」。山田はサンタクロースにこんな願い事をしたこともあるほど、厳しい環境だった。それでも文句は一切言わなかった。ボードができれば、それで良かった。
男子ハーフパイプの競技終了後、集合写真に納まる日本の選手たち。前列中央は金メダルの戸塚優斗、同左は銅メダルの山田琉聖=共同
「辛い時もあったけれど…」
中学生になり、より良い練習環境を求めて海外遠征が増えた。美咲子さんはアルバイトを増やした。コンビニや配送業など朝昼夜の「トリプルワーク」も当たり前。息子に好きなことを続けさせたい」という一心だった。ナショナルチームの遠征以外は山田に付き添い、ホテルの手配や食事などを支えた。
山田もオフシーズンには肉体労働をして、遠征費を稼いだ。高校3年生の時には1人でサロマ湖で約2週間ホタテ漁を手伝ったこともある。母と姉の3人で田植えにも行った。それでも山田は「辛い時もあったけれど、基本楽しかった」と思えた。
2人で耐え続けた先に光
24年12月のワールドカップ(W杯)で初めて3位表彰台に立ち、昨年12月には念願のW杯初優勝を果たして迎えた五輪の舞台。山田は母が見守る前で圧巻の滑りを見せた。「私か琉聖かどちらが先に(この生活に)音を上げるかだった。2人とも耐えた先にオリンピックがあった」と美咲子さん。まさに、母子の絆でつかんだメダルだった。
男子ハーフパイプ決勝 でトリックを決める山田琉聖=共同
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