重圧掛かる最終盤。今一度、フットボールの楽しさを味わって《河合CRC竜の眼》
高嶺のミドル2発で勝利した富山戦
主将のスーパーゴール2発が、勝敗を決めた。19日の富山戦は高嶺が前、後半ともに鮮やかなミドルシュートを叩き込み2-0で勝利した。今季の得点数はチーム最多の8。ボランチでこれだけ点数を奪えていることは本当に素晴らしい。
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パンチ力があり、シュートレンジが広い。シュートに対する意識の高さやキックの正確性は、相手DFの立場で見ると相当にやっかいだ。DFはミドルシュートとドリブルを同時にケアすることはできないから、複数の選択肢を持っている意味は大きい。今季はシュートモーションからドリブルで3、4人を抜くシーンもあった。他クラブはアタッキングサードの位置でボールを持たせたくないと強い警戒心を抱いていることだろう。
柴田監督も猛省した攻守での課題
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個人の能力で奪った2ゴールは見事だったが、ゲーム全体を見渡すと内容は物足りなかった。試合後、柴田監督は「自分自身の力のなさを痛感した。内容は決して褒められたものではない」と、自らを責めるようなコメントを残した。2-0のスコアでも満足感を得られなかったのは攻守に課題を残したからだ。
1点目の直前には2、3人が連動するスムーズなパスワークで左サイドを崩した。しかし試合を通して見応えあるシーンは少なく、ゴール前まで行っても最後の最後でパスが浮くなど攻撃の質は低かった。
守備でもプレッシャーを掛ける際の共通認識が欠けていた。ファーストディフェンダーを務めたバカヨコのところでプレスがはまらず、ずるずると自陣への進入を許した。西野や高木を中心に体を張ってしのいだが、J1やJ2トップクラスのチームが相手なら今回のデキでは厳しい。交代してトップに入った荒野は1人で2、3度ボールを追ってくれたが、そこからのさらなる連動も必要だったと感じる。
次節は首位争う水戸とのホーム戦
それでもシーズン最終盤は何よりも結果が欲しい時期だから、勝利した事実をポジティブに捉えたい。次節は自動昇格圏の2位につける水戸をホームに迎える。前節は後半アディショナルタイムの失点で7試合ぶりの敗戦を喫したため、より集中してゲームに入ってくることが予想される。
水戸は全員がハードワークできるチームで攻守の切り替えも速い。当たり前のことを徹底してくる相手を上回るには、クラブのスローガンである走る、闘う、規律を守るというベースの部分が大事になる。
残りは5試合
どの世界にも言えることだが、ベースや土台が大きいほど積み上げるものは強固になる。プレッシャーの掛かる一戦になっても、ミシャさんや柴田監督と取り組んだ普段のトレーニング通りのプレーを出せばいい。泣いても笑っても残りは5試合。今一度原点に立ち返り、フットボールの楽しさを存分に味わってほしいと願っている。
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