《SHINJOの信条》粘って、ためやがって。きたきたきたって俺やと思っていたら、球児かーい!

■プロ野球ドラフト会議(10月23日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミール)
会議に出席した新庄剛志監督(53)の一問一答は以下の通り。
―ドラフト1位指名を終えて
「うれしいですね。大川くん。キレのあるボールで、抑えでも中継ぎでも。なんかね、開幕からビュンビュン抑えてくれるようなイメージが持てるピッチャーですね。すごくうれしいです」
―即戦力として期待しているか
「もちろん。僕は高校生だろうが大学生だろうが即戦力で。そういう見方をしてキャンプ中、ずっと見ているので。いいと思ったらすぐ使いますよ」
―抽選のことも伺いたい
「あまり聞かないで(笑)」
―なかなかくじを開かなかった
「いつも開いていないです。来年、この場に立つとしたら、引きません。もういいです(笑)」

―何か、験を担いだことは
「ないないないないない。ないです。おー、3分の1か、チャンスあるなと思っていました。5分の1ぐらいかなと思っていたんですけどね」
―くじは残念な結果になったが
「これは縁ですからね。(立石は)タイガースの方で活躍している姿を見たいと思います」
―大川はファイターズでどんな投手になってもらいたいか
「うーん、球の質で言うと、北山くんに似ているんですよ。だから、ファイターズに入ってたくさんご飯を食べてもらって、たくさんトレーニングをしてもらったら、1年でガーッと変われる球団なので。成長とともに将来、メジャーの場所で投げるようなピッチャーになってもらえたら」
―監督としてどんなアドバイスを送りたいか
「僕はモチベーターなので、監督ではないので(笑)。気持ちの面で、どんどんマウンドで騒げ、ほえろというアドバイスしかできません」
―先発ローテーションに入ってほしいという期待は
「まずは、中(リリーフ)で見てみたいかな、という気持ちはあります。僕はそのパターンが多いんですよ。中継ぎの気持ちも分からせる。先発で投げた時に、中継ぎの経験があるから、こういう抑え方をしたらいいと。両方勉強させたいので。もちろん、頭の中では先発でいかせたいなという気持ちはあるんですけど、順番というか、僕の中であるので。中継ぎを経験させることはものすごく大事なことだと思うから。楽しみでしかないです」
―喜んでいるだろう大川へメッセージを
「ファイターズはものすごくいい球団ですし、ご飯がとにかくおいしい(笑)。ウエートトレーニング場やら、全てが完璧だし、エスコンフィールドで暴れている姿を見せてください」
―大川はきのうのスカウト会議で映像を見ていたか
「見ましたよ、もちろん。印象に残っています、ものすごく。いいボールを放るなと。もっと体が出来上がって下半身が使えるようになったら、さらにホップ成分のある真っすぐを投げてくれるんじゃないかな、と見ていたんですけど、なんせ僕があまり関わりたくないので、ドラフトに関しては(笑)。心の中でいい球放るな、このピッチャー欲しいな、と思っていた一人でしたね。3人いたんですけど」
―空振り、ファウルが取れるタイプか
「うん、間違いない。これでツーシームとか覚えてもらえたら、さらに幅が広がりますけどね」
―明大では後ろの役割だった
「チャンスがありますよね。後ろから中から前に(笑)」
―北山が入団した時のような育て方をイメージしているか
「そうそうそうそう。一緒ですね、ほぼほぼ。そういう育て方はしたい。でも見てみないと分からないですからね。キャンプ中。5分以内には分かりますけどね(笑)」
―北山の時は見てから、ガラッと印象が変わったと
「北山くんは3球。3球で1軍。だから5球以内で決めさせてほしいですね(笑)」
―2度目の抽選では、木田GM代行がくじを。どんなやりとりがあったのか
「木田さんは清宮くんを引いているので。ほんとはね、ここで木田さんにいって(引いて)ほしかったんですけど。でも、1位で取った選手が必ず活躍するとは限らないのでね。僕5位なんですけど、5位の選手でも3位の選手でも、どういうふうに化けていくかというのは、指導法にもかかっていると思うんですけど。あとは、すぐにでもあのグラウンドでプレーをしたい、という強い気持ちを持っている選手はすぐに立てるから。練習からそういう姿を見ているし、取り組み方とか、人間性を含め、チームの輪を…まあ、1年目からは崩さんか(笑)。礼儀正しいかとか、そういうところを見たいと思います」
―くじ引きの時、阪神の藤川監督がなかなか手を上げなかった
「どういうことよ。粘って、ためやがって。きたきたきたって俺やと思っていたら、球児かーい! もう(盛り上げ方を)知ってるやん、あいつ」
―箱から引くまでの時間が長かった
「取れなかったんですよ。どこだろうって。あまり見たくなかったから、探り探りで。最後の最後に変えてしまった。いや、2回くらい変えたかな(笑)」
―藤川監督がくじを落とすアクシデントもあった
「あれで嫌な予感がしたんですよ。うわ、向こうに持ってかれるって。なに落としとんねーん。しっかり持っとかんかい! と、思った次第でございます」
―もう引きたくないか
「もういいもういい。はい」
―新人を評価する際、打者目線で投手を見ると。大川は打ちにくいか
「うん。真っすぐ一本に張った場合、なんかバチンと捉えたら軽そうな球質だなと思いました。果てしなく飛ばされそうな。オリックスの杉本くんあたりに。でも変化球を全部見ているわけじゃないですし、それを狂わすテクニックは、うちのピッチングコーチ陣がたくさん知っているので、さらに伸びると思います。もちろん、最初は何も言わないですよ。だって、彼の力でドラフト1位になったわけだし。まずは見てから。直すことはないかな、最初の半年くらいは。でもクイックとかは言いますよ。クイックと癖。(セットポジションのグラブの位置が)ちょっと離れた感じだから、耳の後ろに持っていこうかと(笑)。方法はいろいろありますけど。まあ、緊張感はありますよね、毎年。1人の人間の人生が、くじでものすごく変わってくるから、責任も、ものすごくあるので。こういう体験はもうしたくないです、もういいかな。でも引いたら引いたでうれしいしね。引いた選手は使いたくなるしね(笑)。俺が引いたんだと思って」
―来年も、くじ引きをお願いされたら
「うーん。まずこの場に来ているか…それは分かりません(笑)」