北海学園大・高谷舟がオリックス5位指名 親友とつかんだ夢「お互いにライバルとは思ってなくて…」
オリックスから5位指名を受け、笑顔でフォトセッションに応じる高谷=撮影・村本典之
いつか最優秀防御率のタイトルを
プロ野球のドラフト会議が23日に開かれ、北海学園大学の高谷舟投手(4年、札幌日大高)がオリックスから5位指名を受けた。最速153キロの直球と6種の変化球を操る万能型右腕は「誰よりも早く1軍で投げたい。大学でも防御率にこだわってきたので、いつか最優秀防御率のタイトルを取りたいです」と即戦力の自覚を示した。
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最初は喜びよりも驚き
遅咲きの怪腕がプロの扉をこじ開けた。チームメートの工藤泰己が広島に4位指名されてから、待つこと約15分。自らの名前が読み上げられた瞬間は、驚きが喜びを上回った。「だんだんと呼ばれないんじゃないかな? と(不安に)思っていたら、急に来たのでびっくり。最初はどの球団なのかも分からなかったし、焦っていたのでホッとしました」と素直な感情を吐露した。
オリックスから5位指名を受け、笑顔で会見する高谷
全日本選手権8強入りに貢献
高校時代は控え投手だったが、大学4年間で地道に力を蓄えた。公式戦は先発10試合を含む、合計30試合に登板。6月の全日本選手権では全3試合に救援登板し、46年ぶりの8強入りに貢献した。
急成長の要因は徹底した体づくりにある。入学前は70キロ程度しかなかった体重は84キロまで大幅アップ。「自分で考えてメニューを組んできた。ウエートや身体操作系の細かいトレーニングをやって、1つ1つ自分の課題を見つけてクリアしたことが大きかった」と取り組みを振り返る。
工藤と切磋琢磨しながら下剋上
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親友の存在も、成長を後押ししてくれた。工藤とは中学時代も共にプレーしており、再び同じチームになった大学では「練習を見て、まねたり聞いたりする。お互いにライバルとは思ってなくて仲の良い友達です」と支え合いながら才能を磨いてきた。
プロ入りを果たした2人はどちらも高校時代に2桁背番号が主だった。地道な努力の積み重ねで夢舞台への切符をつかみ取り「試合に出られなくても、やることをやれば道は開ける。逃げるのでなく、自分から積極的に課題を見つけて取り組めばいい」。夢を叶えた男の言葉は確かな説得力を持つ。
広島4位指名を受けた工藤(左)とフォトセッションに応じるオリックス5位指名の高谷
信頼される投手に
投手王国と呼ばれるオリックス。若手が次々と頭角を現す環境は、伸びしろたっぷりな高谷にぴったりだ。「エースの宮城投手に話を聞いてみたいです。タイプは違うと思いますが、自分が目指しているのは信頼される投手なので」。秘めたポテンシャルを、大阪の地で引き出してみせる。

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■プロフィール 高谷 舟(たかや・しゅう) 2003年7月27日、札幌市生まれ。179センチ、84キロ。右投右打。札幌円山小3年時に円山スターズで野球を始める。札幌向陵中では軟式のT・TBCで外野手を務め、広島4位指名の工藤泰己とはチームメート。札幌日大高進学後に投手転向。2年秋の札幌支部に背番号10でベンチ入りし、3年春の決勝では五回から5回1失点のロングリリーフで全道初優勝に貢献した。夏は南北海道大会準優勝。北海学園大では1年秋にデビュー。今年6月の全日本選手権は1回戦の上武大戦で救援登板。2回⅓無失点で全国初勝利を挙げると全3試合に登板し、46年ぶりの8強入りに貢献した。リーグ戦は通算7勝。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリット、カットボール、ツーシーム。家族は両親と姉。