【’25ドラフト道産子有望株】⑦北海学園大の153キロ右腕・高谷舟 新投球スタイルで奪三振王狙う
北海学園大・高谷はスピン量が驚異の毎分2600回転をマークする最速153キロ右腕=撮影・西川薫
NPB8球団が注目
今秋のプロ野球ドラフト会議で指名が期待される選手を先取りする「’25ドラフト道産子有望株」。第7回は北海学園大の153キロ右腕・高谷舟(4年)を紹介する。直球のスピン量はNPBでもトップクラスの毎分2600回転をマーク。さらにキレ味鋭い7色の変化球を操る右腕に、NPB8球団が関心を示している。
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コンパクトなテークバックから、目の覚めるような速球が捕手のミットをたたく。3月の東京遠征に帯同するも、体調不良で登板することはなかったが、現在は回復。22日のブルペンで149キロ、2600回転をマークするなど「順調に来ている」。昨秋は4試合に先発も未勝利に終わっただけに「もう優勝しか見ていない。個人の結果は後でついてくるもの。しっかりチームが勝てるような投球したい」。1年ぶりの白星でチームに貢献する。

指揮官も絶賛「木村と双璧、オールマイティー」
3年間でリーグ戦通算3勝。2年までは救援が主戦場だったが、昨春から先発を任される機会が増えた。島崎圭介監督(53)は「完投能力もあるし、後ろでもいける。ピッチャーとしては木村(駿太)と双璧、オールマイティー。(ホーム)ベース付近のキレは特筆もの。シュートも切れ上がって『伸びシュー』ですよね。スライダーだと、スイーパーみたいな感じで、横から風がふっと吹いたように、そのままスライドするような高速スライダー」と絶賛する。
速く落ちる系で、三振の取りやすい球が欲しかったので…
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新境地を切り開く。元々変化球に自信があったが、オフはスプリットに磨きをかけた。チェンジアップやナックルカーブ気味の縦スライダーなども操るが「まだムラがありますけど。使えなくても何球か投げる。見せ球としても、それで落ちてくれたらいいし。速く落ちる系で、三振の取りやすい球が欲しかった」。タテヨコに加え、奥行きもフルに使って打者を翻弄する。
高谷投手の投球フォーム
「三振が取れるところは、全部狙っていきたい」
三振にこだわる理由はシンプルだ。「三振は、ピッチャーが取れる(アウトの)ただ一つのもの。上(プロ)に行くにしても、三振の率は見られると思う。この3年間、打たせて取ることが多かったけど、(今年は)三振が取れるところは、全部狙っていきたい。もうゾーンにとりあえず追い込んで、どんどん打たせる、というよりは、三振を取りに行くような配球や球になるのかな」と、新たな投球スタイルを求めていく。
札幌日大高時代は、最速144キロをマークするも、エースは中学からチームメートだった前川佳央投手(日大4年)。2年前、前川は右肘を痛めて学生コーチに転身。「ずっとライバルと思って追いかけていた存在が、ケガで野球ができなくなった。自分はその分もしっかりやらないと」。道半ばで夢を諦めざるを得なかった友の思いも背負い、プロのマウンドを目指し最後のシーズンへ向かう。

■プロフィール 高谷 舟(たかや・しゅう)2003年7月27日、札幌市生まれ。札幌円山小3年時に円山スターズで野球を始める。札幌向陵中では軟式のT・TBCで外野手。札幌日大高進学後に投手転向。2年秋の札幌支部に背番号10でベンチ入り。3年春は全道優勝。夏は南北海道大会準優勝。北海学園大では1年秋にデビュー。通算3勝。変化球はカーブ、シュート、スライダー、チェンジアップ、スプリット、カットボール、ツーシーム。179センチ、82キロ。右投げ右打ち。家族は両親と姉。