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2025/07/15 21:00 NEW

【プレーバック】北北海道大会準々決勝 帯広大谷13-10旭川明成(7月15日、旭川スタルヒン)

延長タイブレークの死闘を制して4年ぶりに4強入りを果たした帯広大谷ナイン=撮影・西川薫
※延長十一回タイブレーク

 

帯広大谷が延長十一回の死闘を制す

 延長十一回タイブレークの死闘は、両チーム合わせて30安打の乱打戦を制した帯広大谷が、4年ぶりの4強入りを果たした。

 開始早々から激しい主導権争いとなった。帯広大谷は一回、先頭の泉映甫三塁手(3年)が、相手守備の失策で出塁すると、犠打と内野ゴロで2死三塁。続く4番・工藤聖真左翼手(3年)が右中間へ先制の適時打を放った。さらに5番・今井大翔一塁手(3年)の右越え二塁打で2点目を奪った。

 旭川明成もその裏、すぐに反撃。1死から連続安打で1死一、三塁と好機をつくると、4番・西村拓真右翼手(3年)の右越え二塁打で2者が生還。あっという間に試合を振り出しに戻した。

 旭川明成は二回、2死二、三塁から2番・近藤徹平二塁手(3年)の適時内野安打で勝ち越すと、続く3番・柏谷爽太一塁手(3年)が左越えの3点本塁打を放ち、6-2と大きくリードした。

 帯広大谷は四回、先頭から2者連続四球と犠打で1死二、三塁とすると、2番・村上恵都右翼手(3年)の中前適時打で1点を返し、続く3番・井上翔瑛二塁手(2年)が右前適時打で続き、2点差に追い上げた。

 その裏、旭川明成は3四死球で1死満塁にすると、柏谷の併殺崩れの間に1点を追加し、再び3点差に引き離した。

 帯広大谷は六回、単打2本と犠打で1死一、三塁とすると、一走が盗塁を仕掛けて捕手の悪送球を誘い、三走が生還。一走も三塁へ進み、後続の内野ゴロの間に三走が本塁へ突っ込んで生還。1点差に迫った。

 1点差のまま迎えた帯広大谷の九回の攻撃は、先頭の春木優弥捕手(3年)が左前打で同点の走者として出塁すると、犠打と失策で1死一、三塁。ここで、9番・野坂奏聖三塁手(3年)が3球目にスクイズを成功させ、ついに同点に追いついた。

 試合は九回では決着がつかず、無死一、二塁から始まる延長タイブレークに突入。帯広大谷は延長十回、犠打で1死二、三塁に好機を広げると、3番・井上の左前打で1点。さらに2死一、三塁から今井の右越え二塁打で2点のリードを奪った。

 食い下がる旭川明成はその裏、1死一、二塁から近藤の左中間2点二塁打で同点に追いつき、勝負のゆくえは延長十一回に持ち越された。

 延長十一回の帯広大谷は、相手守備の連続失策で2得点。さらに1死二、三塁から8番・土屋湧雅遊撃手(2年)の内野ゴロの間に1点を追加。最後は1死三塁からの野坂の犠飛でリードを4点差に広げた。

 旭川明成はその裏、先頭打者の適時打で1点を返したが、反撃はここまで。3時間3分の激闘の末、帯広大谷が初のエスコン切符をつかみ取った。


■追いかける我慢の展開から逆転勝利を収めた帯広大谷の網野元監督(53)
「諦めなかったことが全て。守備もミスがあったけど、それでも最後までゲームを投げださなかった。集中してやってくれた」

■激闘の緊張感から解放されて涙ぐんだ帯広大谷の村上恵都主将(3年)
「チームみんなで取った勝利。ここまでみんなで野球を全力でやってきて、すごい報われた気がします。勝因は最後までベンチもスタンドも沈まず、一人一人が勝利を目指して、諦めない気持ちで全力で自分たちが何ができるかを考えて、それをただ全力でひたすらにチーム全員で徹底した結果がこの勝利を引き寄せた」

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