4強入り白樺は冨澤が公式戦初アーチ&好リリーフ 中学時代の元同期を「絶対に倒してやりたい」【北北海道大会】

■全国高校野球選手権北北海道大会第4日(7月15日、旭川スタルヒン)
▽準々決勝 白樺4-2クラーク
七回のピンチから3番手で救援
昨夏の決勝カードとなった対戦は、安打数で劣る白樺が4-2で接戦を制して、3年連続の4強入りを果たした。4番・冨澤悠斗右翼手(3年)が打っては四回に公式戦初本塁打を放つなど3安打2打点。投げても七回のピンチから3番手で救援し、見事無失点で切り抜けた。中学硬式の洞爺湖リトルシニア時代のチームメートで、健大高崎のプロ注目右腕・石垣元気投手(3年)の活躍に刺激を受け、甲子園での再会を誓う。
健大高崎の石垣と甲子園の対決誓う
待ってろ、石垣―。旭川スタルヒンの空に描いた放物線に、冨澤はありったけの思いを乗せた。「中学校で一緒でやってて、あれだけ注目されているのが悔しいので、健大高崎と試合をして、絶対に倒してやりたい」。そのためにも、まずは残り2勝して2年連続の甲子園切符をつかみ取る。
本格的な投手メニューで球速UP
2年秋に投手に転向。最速は135キロにも満たない程度だったが、本格的に投手メニューに取り組んだことで、ゴールデンウイークの遠征では142キロをマークした。4-1の七回、2死からの3連打で2点差に追いつかれ、なおも二、三塁のピンチで救援すると、後続を空振り三振に斬って取り、八回、九回も走者を背負いながら決定打を許さず、勝利に貢献した。

1回戦の投打の不振で指揮官から喝
1回戦の旭川実業戦では4打数無安打。投げても八回から救援して2失点(自責1)と、良いところなし。亀田直紀監督(38)は「この2日間で、しっかり気持ちを入れて練習させましたので、そういう意味では最後、粘り強く投げてくれた。(打撃も)この間は全然ダメだったので、本人にカツを入れて練習させました。4番ですしね、チームの中心なので、彼が打ってくれないとチームが乗らない」。心を鬼にして奮起を促した。

指揮官の思いは伝わった。冨澤は「監督さんも自分に期待してもらってる。自分がもっとチームのためにできることをしっかりやっていかないと、このチームは勝てないって言ってもらった。自分がもっと引っ張っていく」。すると公式戦初アーチも飛び出し、「びっくりしたっていうか、入っちゃったって」。主軸に当たりが戻り、打線にも厚みが増した。