右膝後十字靱帯断裂から復帰した白樺・川島が3安打2打点と完全復活【春季全道大会】
一回1死一塁、右翼への二塁打を放つ白樺の川島=撮影・十島功
■春季全道高校野球(5月28日、札幌円山)
▽1回戦 白樺6-2立命館慶祥

昨年の北大会決勝で負傷
昨夏の甲子園出場選手が6人スタメンに名を連ねる白樺が6-2で勝利し、春は2年ぶりの8強入りを果たした。3番・川島陽琉(はる)中堅手(3年)は昨年の北北海道大会決勝で負った右膝後十字靱帯断裂から復活し、3安打2打点と活躍。負傷したまま出場した甲子園1回戦の長崎・創成館戦では4打数無安打に終わり、責任を痛感していた。今年は万全の状態で再び聖地を目指す。
「初回の入りが夏にもつながる」
白樺の手負いのバットマンが、名前の通りに〝はる〟の円山で完全復帰した。一回にチーム初安打となる二塁打で1死二、三塁に好機を広げると、後続が放った打球を相手が失策する間に三走に続いて一気に生還。さらに四回と八回にも右方向に2本の適時打を記録した。「(先制点は)常に先の塁に姿勢をとっていた。練習から先の塁をどんどん狙って、走塁を大事に練習してきた。(亀田)監督さんから初回の入りが夏にもつながってくるって言われていた。神谷が今季初先発だったので、点数を取れて良かった」と声を弾ませた。
一回、相手の失策で生還し、笑顔でベンチへ戻る白樺の川島
大敗した2年前のリベンジ成功
春の全道は前回出場の23年準々決勝で立命館慶祥に2-9で八回コールド負け。その試合はスタメンを中心に選手がインフルエンザに罹患。1年生ながら、川島も途中出場した。「昨日、その代のOBがホテルに来てくれて『リベンジを果たしてくれよ』って強く言われた。きょうも応援に来てくれていたので果たせて良かった」と安堵した。
昨夏の甲子園は強行出場も無安打 「自分の実力があの場所で…」
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聖地には思い残しがある。靱帯断裂直後は「膝が曲がらなくなって、曲げたら痛くて。膝がはまっている感じがしないというか、パカパカして力が入らない」。それでも手術には踏み切らず、甲子園では右膝にテーピングをぐるぐる巻きにして強行出場。しかし4打数無安打に終わり、「すごい惨めな思いをした。自分の実力があの場所で知れた」。本当の実力を発揮できず、悔しさだけが残った。
四回2死三塁、右前適時打を放つ白樺の川島
久保は前十字断裂などで手術
川島と同じく昨年の北大会決勝では久保翔馬一塁手(3年)も右膝前十字靱帯断裂と半月板を損傷していた。川島は甲子園から帰道後に靱帯断裂が判明して保存療法を選択し、秋は代打要員でベンチ入りしたが、久保は甲子園から帰道後に手術を行った。主力2人を欠いていたチームも昨秋は支部予選で敗退した。
次は2人とも万全な状態で甲子園へ
川島は「新チームでは試合に出られなくて、そこで迷惑をかけていた」と責任を感じていた。この日、久保は1安打1打点と3四球で4度出塁の活躍。「冬に一緒にリハビリトレーニングしながら切磋琢磨して、自分たちが春夏に戻って絶対に勝とうという話をしていて、きょう結果を残して勝てたので良かった。次は万全な状態で甲子園に出たい」。選手生命を脅かす大けがは乗り越えた。夏の北大会2連覇へ向け、1試合でも多くの経験を積む。
リベンジに成功し、初戦を突破した白樺ナイン
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