2連覇狙う白樺が春準Vの旭川実業を撃破 1年前の決勝で大けがした久保が六回に決勝スクイズ【北北海道大会】
六回1死一、三塁、決勝スクイズを決めた白樺の久保=撮影・熊谷洸太
■全国高校野球選手権北北海道大会第1日(7月12日、旭川スタルヒン)
▽1回戦 白樺4-2旭川実業
白熱の投手戦を制す
昨夏の王者・白樺が、春季全道準優勝の旭川実業との白熱した投手戦を制して、初の2連覇へ好発進した。0-0で迎えた六回1死一、三塁で2番・久保翔馬一塁手(3年)のセーフティースクイズで先制すると、2年生で昨年の甲子園マウンドを経験したエース左腕・神谷春空(はるく)投手(3年)が7回無失点。2番手の冨澤悠斗投手(3年)が2回2失点(自責1)で逃げ切った。
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六回1死一、三塁、決勝スクイズを決めた白樺の久保=撮影・小川泰弘
1球で決めて苦い思い出を払拭
1年前の北大会決勝の舞台で大けがをした久保が決勝のスクイズを決め、苦い思い出を払拭した。「自分の役割的に、あそこで(サインが)出るなって思ってた。一発目で決められて良かった」と初球のカットボールを投手右へしっかりと転がした。直前に守備のタイムがあったが「楽に楽にってジェスチャーされて、サインも出ていたので、役割を果たせたので良かった。去年は、嫌な思い出なんですけど、その気持ちをいったん捨てて、今年は今年でという気持ちで、やりました」と声を弾ませた。
地味で苦しいリハビリから春に復帰 今でも痛々しいアイシング
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試合後の控え室には、右膝と左足首をアイシングする痛々しい久保の姿があった。昨夏の北大会決勝。五回の打席で、一塁ベースを回る際に、右膝前十字靱帯断裂と半月板損傷。甲子園を決めたが、自身の出場は絶望的。記録員としてベンチ入りした。チームは甲子園も1回戦で敗れ、帰道直後の8月19日に札幌で手術。地味で苦しいリハビリと向かい合いながら、治療に専念した。フルメニューを消化するのは、今年のゴールデンウイークまでかかった。春季大会で戦列に復帰。「冬場、焦っても、もう一回けがしちゃうなと思って、夏に間に合えばいいなぐらいの気持ちで。春の大会も出られて、間に合って良かった」。焦ることなくリハビリに専念した結果、ラストサマーに滑り込んだ。
六回1死一、三塁、決勝スクイズを決めた白樺の久保
もう一度、憧れの場所へ
いまも痛み止めを服用しながらの出場。負傷した部分の違和感は元には戻っておらず、水がたまることもあるなど、完治はしていない。さらに負傷部分をかばって左足首にも痛みがある。それでも久保の体を突き動かす理由はただ一つだ。「去年の夏は一瞬で終わったなって感じで試合が終わっちゃったので、今日勝てて次につながるので良かったです。去年は甲子園のグラウンドに立てなかったので、今年は絶対あと3勝してグラウンドに立てるように全員で頑張りたい」。もう一度、憧れの場所へ。今度はユニホームを着て、躍動する。
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