士別翔雲が3年連続開幕勝利 最速145キロのエース大橋広翔が1失点完投勝利【北北海道大会】
力投する士別翔雲の大橋=撮影・小川泰弘
■全国高校野球選手権北北海道大会第1日(7月12日、旭川スタルヒン)
▽1回戦 士別翔雲4-1釧路江南
打っても八回に勝ち越しの決勝打
北大会では30年ぶりとなる3年連続で開幕戦を制した士別翔雲が8強入りした。最速145キロ右腕・大橋広翔投手(3年)が投打で活躍。七回途中まで無安打投球するなど、1安打1失点完投。打っても同点の八回に勝ち越し打。今夏限りで支部予選が廃止になるため、最初で最後の名寄支部代表としての夏の甲子園出場へ、一歩近づいた。
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八回無死一、三塁、士別翔雲の大橋(右)が勝ち越しの左前適時打を放つ=撮影・熊谷洸太
七回2死までは無安打投球
大橋がペース配分を意識して128球の完投勝利。この日は135キロが最速。「全体的に球にばらつきがあって、ストライク先行で攻められる機会っていうのが少なくて、ちょっと苦しかったんですけど、なんとか野手に頼りながら投げきれてたのは良かった。最初に飛ばしすぎた部分もあった。初球打ちしてきてくれる場面が多かったので、そこは本当に大きかった」。七回2死まで無安打投球。そこから初安打を浴びたが、後続を断ち切り、それ以上は許さなかった。
支部予選後に新球を習得「北大会になると、そういうボールが有効」
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新球がハマった。猛者揃いの北大会を勝ち上がるため、春の大会まではほとんど投げることのなかったチェンジアップを左打者の外角に使って面白いように決まった。「北大会になってくると、そういうボールが有効だなって分かってたので、支部予選が終わってから練習して、使えるボールになった」。左打者が上位にズラっと並ぶ釧路江南打線から凡打の山を築いた。
完投勝利を飾った士別翔雲の大橋=撮影・星野雄飛
前日入りして温泉で英気養う
昨年まで2年連続で試合当日に開催地の旭川に入ったが、8時15分の開会式に合わせて学校集合は4時30分だったこともあり、負担が大きかった。今大会は抽選会で大橋が1番を引き当て、3年連続の開幕試合が決定。前日入りの希望が伝えられ、渡辺雄介監督(43)が前泊を決断。比布温泉に宿泊して、前年よりも1時間遅く起床することができた。さらに温泉でたっぷりと移動疲れを取り、選手たちも「全然違う」と万全の態勢で、球場入りした。
名前入りの勝負パンツで一致団結
おそろいの勝負パンツで勝利を引き寄せた。ラストサマーに合わせ、保護者らが蛍光イエローとオレンジのオリジナルパンツを発注。お尻の位置に選手名のアルファベットと背番号を刻印。大橋は蛍光イエロー。スライディングパンツの下に履いている。
八回無死一、三塁、士別翔雲の大橋が勝ち越し打を放ち、塁上でガッツポーズを見せる
悲願まであと三つ
大橋の兄・真聖さん(23)もOB。「兄ちゃんも、ここで6年前ぐらいに野球をやってて、お兄ちゃんは予選負けしてしまったけど、それを見て、自分がこのチームに入って、初めて名寄地区から甲子園に出たいなって。いろいろな迷いもあったけど、最終的にはそこが本当に決め手」と兄の背中を追って士別翔雲に入ってきた。悲願まではあと三つ、フル回転で夢を叶える。
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