駒大苫小牧エース・寺田七将が打倒・北海を誓う「三度目の正直」【南大会公式練習】
エスコンのマウンドを確かめた駒大苫小牧のエース左腕・寺田=撮影・西川薫
■全国高校野球選手権南北海道大会(7月18日、エスコンフィールド北海道)
▽公式練習
23年夏、昨秋全道のリベンジ狙う
全国高校野球南北海道大会準決勝を翌日に控えた18日、会場となる北広島市のエスコンフィールド北海道で出場する4校が公式練習を行った。夏の甲子園V2から20年の節目を迎える駒大苫小牧は、2023年南大会準決勝、昨秋の全道準決勝と2連敗中の北海と対戦する。エース・寺田七将投手(3年)は、昨秋の対戦で八回途中6失点降板。リベンジに燃えている。
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部室に北海に負けたときの新聞紙面
駒大苫小牧の部室には昨秋の北海に敗れたときの新聞紙面を貼り、常に忘れないように過ごしてきた。「2年前の夏もここで負けてて、去年の秋も、どっちも準決勝だった。チーム全体として〝三度目の正直〟で勝ち切るしかないって話をしてる。自分の全部をぶつけてでも、死ぬ気でこの一戦に勝って、明後日も勝って、恩返しという部分で甲子園に行きたい」と、並々ならぬ決意で挑む。
ケガから復帰後は調子上がらずも 46奪三振で北のドクターK
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エースが最後の夏に完全復活した。昨秋からエースナンバーを背負ったが、今春は左足首の靱帯を痛めて欠場し、チームも支部準決勝敗退。夏はノーシードからここまで勝ち上がってきた。自身の夏の初戦となった北海道大谷室蘭戦では四回までに5失点ながら9回完投。「あんまり調子は良くないけど、バックに助けられながら、その中で低めに変化球を集めて打ち取らせている部分ある。調子が良い悪いとか関係なく、しっかりやることをやったら抑えられると思うので、そこは調子が悪くても、チームのためにってやってます」。復活してから準々決勝まで27回⅓連続無失点。さらに31回⅓で46奪三振と、〝北のドクターK〟だ。
準決勝に向けて公式練習をする駒大苫小牧の選手たち=撮影・小川泰弘
昨秋の対戦では「甘さが出た」
昨秋まではウイニングショットとなっている大きく変化するスライダーを右打者の膝元へ攻めきれなかった。昨秋の北海戦では、一回に味方が先制点を奪ったが、三回に四球から同点に追いつかれ、その後に暴投で逆転を許した。八回には連打を浴び、計6失点で降板。「あの時は初回から自分のマックスが出せて良かった部分はあったけど、下位打線への無駄な四球であったり、甘さが出た」。そこから2年生捕手の渡辺羚(れい)と、時にぶつかり合いながら二人三脚で投球を磨いてきた。「羚を信じて、ワンバンでも止めてくれるのを信じて、思い切って腕を振っていく」。〝後輩女房〟のミットをめがけ、決め球を投げ込むつもりだ。
OB伊藤の職場は光栄もまだ通過点
エスコンのマウンドは、同校のOBで2014年選抜甲子園に出場した日本ハム・伊藤大海投手(27)の〝仕事場〟だ。7月3日には、昨年の最多勝を記念して開閉式の打撃ゲージが寄贈された。同校のエースナンバーは、伊藤や巨人・田中将大投手(36)も背負った番号。「とましんとか円山(球場)に比べたら、全然(土が)掘れなくて、地面が硬い。逆にそこで力んでしまって高めに浮いてしまうってことがきょうもあった。しっかり低く、真っすぐも変化球も、全部ローボール中心に心がけて明日も投げていきたい。(伊藤と)同じマウンドに立てたのは、すごく光栄なことだけど、自分たちが目指しているのはやっぱりここじゃなくて甲子園。ここで終わりたくないので、甲子園の通過点として、この試合でもさらなる成長を追い求めてやっていきたい」。07年を最後に遠ざかっている灼熱の夏の甲子園。まずはリベンジを果たして、王手をかける。
公式練習を終えて整列する駒大苫小牧の選手たち
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