ファイターズ
2022/01/13 14:30

プロ5年目清宮 覚醒の時 指揮官の期待応え10キロ減

約10キロの減量に成功した清宮(左)。自主トレを共にする憧れのソフトバンク・柳田にいいヒントを貰えたのか、表情も明るい(撮影・中田愛沙美)

 ビッグボスの減量指令に応えた! 日本ハム・清宮幸太郎内野手(22)が12日、ソフトバンク・柳田悠岐外野手(33)とともに行っている佐賀・嬉野市での自主トレを公開。新庄剛志監督(49)からのミッションをクリアし、公称103キロから約94キロまで絞ったことを明かした。キレキレボディーを手に入れ、現在は球界屈指のスラッガーのもとで新たな打撃フォームを模索中。5年目の覚醒へ、生まれ変わろうとしている。

ギータと自主トレ


 およそ1カ月半ぶりに公の場に姿を現した清宮は、別人のような変貌を遂げていた。シャープで精悍な顔つきに、引き締まったボディー。ダイエット指令を受けた昨秋のキャンプから、およそ10キロの減量に成功していたことを明かした。
 前日11日には新庄監督が自身のインスタグラムで清宮の写真を公開し「見てもわかるようにかなり絞れている」と投稿。当の本人は「着やせしているだけじゃないですか」と話しつつも「やっぱり動きやすい。あまり疲れないです」と手応えを感じている。
 無理なく痩せた。食事の量は「この(自主トレ)メンバーの中では一番食べています」と言うが、ドレッシングや味付けのタレを使わずに余分な糖質をカット。午前6時に起き、秋季キャンプから始めた朝のウオーキングも継続。「嬉野散歩です」と、時速6キロで1時間ほど宿舎周辺を歩いている。
 ビッグボスの減量指令はひとまずクリア。新指揮官へ「見てほしいのはそこだけではない。もっと違うところも見てほしい」と訴える。昨季は4年目で初めて1軍出場なし。何かを変えようと必死にもがいている。
 このオフは「5年目でがらっと環境を変えてやりたい」と決意。「日本一のバッター。めちゃくちゃスイングが格好いい」と憧れる柳田へ弟子入りした。寝食を共にして、打席での考え方などを教えてもらっている。
 大きな決断も下した。「去年まで自分のスイングが嫌いで嫌いで仕方なかった。自分のスイングを見ててもひどいので、格好いいなと思いたい」。打撃の確実性を高めるため、フォームの改造に着手した。
 昨年12月から昨季本塁打王のオリックス・杉本らが通う野球塾「根鈴道場」などに足を運び、打撃を一から見直している。グリップの上部が膨らんだ「バレルバット」や、グリップの横に持ち手が付いた「シークエンスバット」を導入。「よりボールがバットに当たる時間を長くすることが大事。ヘッドを返さないという意図で使っている」と試行錯誤する日々だ。
 今季の目標は30本塁打に設定。3月25日のソフトバンクとの開幕戦(ペイペイドーム)では、「柳田さんの前で1発かましてやりたい!」と、“師匠”の前で恩返しの一発を誓う。
 覚悟を持って臨む5年目のシーズン。このままでは終われない。今年の清宮は期待大だ。
(中田愛沙美)


■今季一塁争いは激戦必至


 今季の一塁手争いは激戦が予想される。昨季は不動の主砲だった中田が巨人へ移籍。頭角を現した高浜が主に一塁で107試合に出場し、打率.262、8本塁打、43打点の成績を残した。また、故障や投手との相性などチーム事情により、本職ではない杉谷、郡、近藤がスタメン出場する機会もあった。
 今季はメジャー通算56本塁打のヌニエス、二遊間もこなす両打ちのアルカンタラが加わる。適応力は未知数だが、新助っ人はともに一塁で起用される可能性があり、首脳陣の期待は大きい。
 低迷を打破するためには、貧打解消が急務。守りに課題を残す清宮は長所の打撃で、ライバルたちを上回る結果が求められそうだ。

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