田中宏武 友の思いを背負い、戦う「負けられない。どんどんアピール…」
練習でドリブルを披露するMF田中。負傷した白井の穴を埋める活躍が期待される=撮影・宮西雄太郎
■10月10日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は10日、札幌市内で全体トレーニングを行った。前節の山形戦に途中出場したMF田中宏武(26)は、第33節・富山戦のスタメン出場を目指して猛アピールを誓う。リーグ戦は残り6試合。両サイドをこなすドリブラーは、負傷した友の思いも背負いピッチに立つ。
アクシデント白井に代わり途中出場
幾度もサイドを切り裂き、好機を生みだした。山形戦は右太もも裏を痛めた白井に代わり、前半29分から出場。スクランブル発進でも動揺を見せず、鋭いドリブルと正確なクロスで札幌の攻撃を活気づけた。
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組織で相手守備網を崩せない局面で、個の能力は大きな武器となる。1対1で仕掛けられるドリブラーは貴重で、田中宏は「怖がらずに勝負する姿勢は全員が持つべき。自分はそこが特長だと思っているので、どんどん出していこうと思っていました」と担う役割を自覚する。
同学年の白井とはプライベートでも食事を共にするなど、大の仲良しだ。家が近所のため「陽斗に(車に)乗せて!と言って一緒に行くことがあります」と練習場までの時間を2人で過ごす〝通勤仲間〟でもある。
白井の不在は「チャンス」 その真意は…
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そんな憩いの時をくれる友のことを、ピッチ上では「ライバル」と表現する。白井の不在はチームにとって大きな痛手となるが、田中宏は「チャンスという言い方は良くないかもしれないけど、負けられない。今シーズンの陽斗は苦しんだ中でも点を取っていた。一気に上がっているところだったので本人も悔しいと思う。ただ僕はそう言っていられる立場ではないので、どんどんアピールしていきたい」と表情を引き締める。

田中兄弟の競演実現「またピッチで会いたい」
爪痕を残した山形戦では、大きな刺激を受け取った。後半37分からは実弟の田中渉が途中出場。マッチアップする場面こそなかったが、プロの舞台で兄弟が競演することに自然と心が高ぶった。
「コンサドーレ対モンテディオとして負けられないし、個人的には弟にも絶対に負けられないと思っていました。純粋な楽しさがありましたし、お互いにサッカー界で成長して、またピッチで会いたいです」
渉は幼少期から豊かな才能を発揮し、高卒でプロ入りを決めた。一歩先を進む弟の背中を追った過去も、振り返れば良い経験だった。
「小さい頃から弟がすごいと言われてきました。僕が大学生の時に(渉は)ベガルタ入りを決めて先にプロになった。その評価に負けないように、俺の方がすごいんだって自分に言い聞かせてやってきた。今も追いつけているわけではないけど、お互いにプロの舞台でやれている。これからもお互いにもっと評価を上げていきたい」
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遅咲きだって構わない。札幌のチャンスメーカーはひたむきに、成長を遂げていく。