田中宏武 前節の途中出場・途中交代に発奮「僕も関わって連勝できたら…」
前節の富山戦で途中出場、途中交代した田中宏は、悔しさを胸に秘めて次節のスタメン奪取を狙う=撮影・宮西雄太郎
■5月23日、札幌・白旗山競技場
北海道コンサドーレ札幌のMF田中宏武(26)が23日、札幌市内で行われた全体練習に参加し、第17節・鳥栖戦(25日、駅スタ)へ向けて調整した。前節の富山戦は負傷したDF中村桐耶(24)に代わって前半38分から途中出場するも、試合終了を待たず途中交代を命じられた。大卒4年目のドリブラーは、募るモヤモヤをピッチの上で晴らすつもりだ。
プロになって初めて「もちろん悔しい気持ち」
青木の直接FK弾で劇的勝利を収めた富山戦後、田中宏の胸中は複雑だった。「チームは勝ったので良かったけど、個人としては途中から出て途中で代わったので、もちろん悔しい気持ちがあった。高校や大学で悪いプレーをして、怒られて代えられたことはあったけど、プロの舞台では初めて。(気持ちの)整理を付けるのが難しかった」と本音を吐露した。
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プロサッカー選手になる才能の持ち主だから、アマチュア時代はフィールドに立ち続けることが当たり前だった。公式戦で初めて経験した途中出場、途中交代の事実を背番号30は重く受け止めた。「(得点やアシストなど)数字を残していれば、最後までピッチにいられる時間があったはず。チャンスはあったのに、そこで数字を残せなかったのが(交代の)理由だと思う」と不完全燃焼に終わったゲームを猛省した。
第4節・千葉戦以来のスタメン出場を目指すために…
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シーズンは、まだ中盤戦。挽回のチャンスは十分にある。攻撃力を持ち味とする田中宏だが、今季は練習で最終ラインに入る機会も多い。現在は左サイドのスペシャリストであるパクミンギュが負傷中で、左膝を痛めた中村も次節の出場が不透明な状況。第4節・千葉戦以来のスタメン出場を目指す男にとって、チームのピンチは好機となり得る。
実戦勘の不足は否めなくても、試合や練習の映像を繰り返し見ることで活躍するイメージを膨らませてきた。不慣れな守備的ポジションでも、輝くすべを心得ている。

守備の部分もきっちりやれることを見せたい
「前の選手は1回ハイライトに映ることができたら、良いプレーができたと言えるので何回もチャレンジできる。後ろはリスクがあって失点に直結するので、そこを冷静に判断しながらリスクを犯すべきかを考えながらプレーしている。1対1の対応など局面で責任を果たして、守備の部分もきっちりやれることを見せていきたい」
上位チームの鳥栖、仙台との戦いに勝利すれば、PO圏内浮上が現実味を帯びてくる。苦い経験を乗り越えようともがく男が、逆襲を期する札幌に推進力をもたらす。
「(6月は)ブレークに入るので、ここは本当に3連勝したい。僕も関わって連勝できたらチームとしても個人としても勢いが出る。まずは鳥栖にしっかり勝ちます」。ギラギラとした野望を秘め、面目を取り戻す。