伊藤大海 完投負けで15勝ならず 果たせなかった新庄監督との〝約束〟 この悔しさはCSに…
八回2死三塁、暴投で失点した伊藤=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ25回戦 日本ハム0-3ロッテ(10月4日、ZOZOマリンスタジアム)
日本ハムの伊藤大海投手(28)が、レギュラーシーズン最終戦に先発し、8回97球を投げて7安打3失点。自己最多を更新する15勝目はならなかったが、エースは最後までマウンドに立ち続けた。
「僕の責任です」
試合後、伊藤は悔しさをにじませた。報道陣に投球内容について問われると、渋い表情を浮かべながら「…って感じです」とポツリ。四回に先制点を献上し「僕の責任ですし、負けるべくして負けたと思います」。0-1の八回には高部に適時三塁打を浴び、続くソトの打席では「足が引っかかっちゃって」と自らの暴投で痛恨の3点目を失った。
八回2死一塁、ロッテ・高部に適時三塁打を打たれた伊藤
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昨季と同じ14勝をマークし、2年連続となる最多勝のタイトル獲得は確実だが「全然、うれしくないです」。沢村賞の選考基準である15勝に「行きたかったですし、防御率2.50は超えましたし、結果として14勝ですし、負けもたくさんついてますし、優勝もできなかった。やりきれていないシーズンかなと思います」。
約束の「15勝」 いつの間にか上方修正され…
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「15勝」は新庄監督と〝約束〟した数字でもあった。今季は順調に勝利を積み重ね、前半戦最後の登板となった7月19日の楽天戦で2桁勝利に到達。指揮官とSNSなどでやりとりをしているうちに、目標が上方修正されていた。「17勝って、いつの間にか変わっていました。監督も最初の方は15と言っていたんですけど、途中から17と。背番号分、勝てと」

入団時から5年連続規定投球回に到達
勝ち星は打線との兼ね合いもある。目標の数字には届かなかったが、エースとして申し分ない活躍を見せた。入団時から5年連続規定投球回に到達。プロ入りから大きなケガなく、先発ローテーションの一角を担ってきた。
先月17日の楽天戦では四回に打球が左足に直撃するアクシデントがありながら、7回を投げきった。試合後は弱音を一切吐くことなく、「折れていてもやりますけどね」。その後は中4日、中5日、中5日と短い登板間隔で投げ続けてきた。

センバツ引き寄せた駒苫1年の秋 実は骨にヒビが
駒大苫小牧高時代には、こんなエピソードがある。背番号15をもらった1年秋の全道大会の直前、利き手の右手にボールが直撃。大きく腫れ、骨にヒビが入った。万全の状態ではなかったが、全4試合に登板してチームを優勝に導き、センバツ出場を確実に。当時のことは本人も覚えており、「そんなこともありましたね。痛いもかゆいも言えなかったので(笑)。骨は(折れても)別に。神経に触っていないので」と、あっけらかんと振り返る。
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そのタフさと、強いメンタリティーは、伊藤の大きな武器。負けられない戦いが続くクライマックスシリーズ(CS)でも、発揮されそうだ。「もう勝つしかないので。初戦取れるか取れないかでまた変わってきますし、良い形で心のリカバリーをしっかりして臨みたいと思います」。この日の悔しさをぶつけるマウンドは、すぐに訪れる。
