《岩本勉のガン流F論》「残像」を意識してほしい加藤貴と山崎 「残像」を天才的に操った星野伸之
■パ・リーグ22回戦 楽天6-2日本ハム(8月30日、エスコンフィールド北海道)
中島にしてやられた加藤貴
これだけイニングの先頭を出していては当然、苦しいピッチングになってしまう。加藤貴のことだ。マウンドに立っている間、特に1番の中島に2度も先頭でヒットを許し、いずれも得点につながった。これでは後続の打者もベンチの作戦に応えやすくなる。
加藤貴の調子自体は悪くなかった。ただ、良くはなかった。となれば、打線を鼓舞することはできない。
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必要なのは効果的な進塁とタイムリー
優勝争いの真っただ中。痛い負けではあるが、意味のある敗戦にしなかればならない。ホームランで多くの試合をモノにしてきた日本ハム。この日は二回以降、1度も二塁に走者を進めることができなかった。
効果的な進塁、効果的なタイムリーがいかに大事か。イーグルスの戦いで再認識できたはずだ。
苦しんでいる2人のベテラン左腕
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加藤貴に山崎。ベテラン左腕が苦しんでいる。投手だけではない。バッテリーに言えることなのだが、インコースに突っ込みすぎる必要はない。技巧派投手ならば、なおさら「残像」を残すピッチングを意識すべきだろう。内角攻めは必要だ。だが、制球ミスによる一発や死球のリスクを伴う。真ん中高めに投じることで、打者にはインコースを攻められたという誤解を生ませることができる。その「残像」が打者との勝負を有利にする。
片岡篤史さんの即答
「残像」を巧みに操ったのが、星野伸之さん。〝残像残し〟の天才だった。星野さんが有効に使ったのが90キロを切るカーブ。その「残像」を植え付けられたバッターは、125キロのストレートに構え遅れし、同じ腕の振りから繰り出されるフォークに空振りした。
昔、日本ハムでともに汗を流した好打者の片岡篤史さんと食事をした時、聞いたことがある。今、パ・リーグで一番、球が速い投手は誰ですか?と。即答で、星野さんの名前を挙げていた。
脅威だった2番・イチロー
私も現役時代は「残像」を意識した。カーブを使うことで落ちの悪いフォークでも空振りが取れた。オリックスを得意としていた(1996~99年にかけて10連勝)こともあり、当時、オリックスを率いたいた仰木彬監督が田口壮さんとキャッチャー以外、左打者を並べてきたことがあった。そこで私は左打者への入り方、打ち取り方を学んだ。と同時に先頭打者だった田口さんを抑えることに、かなり神経を使った。2番にはいつも、あのイチローがいたからだ。
大石ピッチングコーチに育てられ、上田利治監督に支えられた。そして仰木彬監督に実戦で鍛えられた。すべては相手がいること。加藤貴よ、山崎よ。「残像」を意識してもらいたい。