《岩本勉のガン流F論》4番を経験し、成長したジェイ あなたこそが逆転Vのキーマン!
■パ・リーグ19回戦 オリックス5-6日本ハム(8月19日、エスコンフィールド北海道)
ストライクとアウトの取り急ぎ
なんとも劇的な試合となった。まずは先発の達に触れたい。五回1死までパーフェクトに抑えていたのだが、中川に一発を浴びて、分かりやすくリズムを乱してしまった。
ここで表に出てきたのがストライク、アウトの取り急ぎ。となると、ヒットも出るわ、四球も出す。満塁とし、宗に一発を食らった。
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テキスト取りの課題 欲しかった「間」
反省点は明白だ。危機回避のための「間」が必要なのだ。中川にソロ本塁打を打たれた後、一呼吸、欲しかった。これはどんなピッチャーでもそうなのだ。とにかく早く相手の攻撃を終わらせたくなる。まさにテキスト通りの課題と言えよう。もうすでに解消しているかもしれない。ベンチで投手コーチらと話し込む姿も見られた。
捕手にも必要な危機を察知する嗅覚
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そして宗。あの場面は初球からウイニングショット。しかもストライクからボールになる球で入ってもらいたかった。狙い打ちしてくる宗。放送席で、「1球目を気を付けてもらいたい」と話した直後にやられてしまった。
これは投手だけじゃない。キャッチャーにも言えること。危機を察知する嗅覚をどこで生かすか。勉強になったはずだ。
期待に応えた六、七回のマウンド
それでも達は六、七回をともに3者凡退で退けた。ここは賞賛すべきポイントだろう。五回に一挙5失点。普通ならば、六回のマウンドをもらえないケースがほとんどだ。6連戦のカード頭に続いて、首脳陣の2つ目の期待に見事、応えた。実に意味のある登板になった。
4番で培った「今度は俺が」という思い
さあ、野村ジェイ。もう、待ってました!
4番でスタートした今シーズン。けがから復帰し、今は5番や6番、または7番を打つ。それでも序盤に4番に座った経験を確実に生かしている。何度も後ろを打つバッターに助けられてきた。「今度は俺が」。そんな思いを自然と抱けているはずだ。それは郡司にも言えること。九回の攻撃。1死一、二塁で4番のレイエスが空振り三振した。ここから5番の郡司が内野安打でつなぎ、ジェイに打席が回ってきた。
先手先手を心がける打席
ジェイは技術的にも確実に向上している。バットの出が良くなっている。結果が求められる4番を経験。復帰後は自身のポジションを奪い返すために、さらに結果が必要となった。そこで後手に回ることがいかにマイナスパフォーマンスにつながるか、身をもって理解したのだろう。この日の5打席に限っても、実に先手先手でバットを出していっていた。
優勝争いの真っただ中。ジェイよ、あなたが逆転Vのキーマンなんやで! 野村が打てば、万波も引っ張られる。V争いの絶対的キーマンよ、期待してるで!